「春の祭典」の演奏

イーゴリ・マルケヴィッチ/フィルハーモニア管弦楽団(1959)


CD1(TESTAMENT SBT 1076)
CD2(WANER TDSA-22)
LP(EMI SERAPHIM AA5039)

CD2
1.ストラヴィンスキー/バレエ音楽「春の祭典」
2.チャイコフスキー/バレエ音楽「くるみ割り人形」
                     組曲Op71a
3.   〃   /幻想序曲「ロメオとジュリエット」

 イーゴリ・マルケヴィッチ指揮
  フィルハーモニア管弦楽団
  録音 1959年1月10〜13日&2月17日(1)
      1959年2月17&18日(2&3)

 マルケヴィッチの「春の祭典」といったらやはりこのステレオ盤です。CD2はフィルハーモニア管弦楽団との録音でチャイコフスキーの作品の録音もあります。CD2は2016年発売のSACDです。

 ストラヴィンスキーの「春の祭典」は冒頭のファゴットのソロが大変きれいに響きます。続く木管楽器の響きの良さもまたいうことありません。クラリネットがよく響きます。ファゴット、ピッコロ、イングリッシュホルンも大変素晴らしい響きです。「春のきざし」も迫力ある良い響きを出しています。パーカッションの大音響も聴きものです。ホルン・ソロが大変きれいな響きを出しています。「誘拐」のパーカッションの響きは抜群、金管とホルンの強奏もよく響きます。「春のロンド」では弦楽の厚み、タムタムと大太鼓の迫力が凄いです。金管の迫力ある響きも抜群です。「敵対する町の遊び」は勢いがあり、金管の迫力ある演奏も凄いです。「賢者の行進」は素晴らしい演奏です。圧倒的な演奏です。「大地の踊り」はそのスピード感とパーカッションの圧倒的な迫力ある響きは素晴らしいものです。驚きの演奏です。
 第2部の序奏はよい響きで緊張感を感じます。「乙女の神秘的な踊り」で聞かれるアルトフルートとホルンはきれいな響きです。「いけにえの賛美」の前の和音から迫力があり、「いけにえの賛美」もまた凄いです。管楽器とパーカッションの迫力が素晴らしい。大太鼓の響きには圧倒されるようです。金管も迫力ある演奏です。「祖先の呼び出し」はティンパニの強打とバスドラムのクレッシェンドが素晴らしい響きです。迫力があります。「祖先の儀式」でのホルンの強奏は見事な響きで、弦楽の厚みパーカッションも素晴らしい響きです。「いけにえの踊り」の圧倒的な演奏は凄いです。金管とパーカッションの響きが厚いです。タムタムの響きもよく聞こえます。圧倒的な迫力です。最後は少し間をおいてピカドンの二打で終わります。これは大変素晴らしい演奏です。絶賛したい超名演です。

 チャイコフスキーのバレエ音楽「くるみ割り人形」組曲は第1曲「小序曲」、第2曲「行進曲」、第3曲「こんぺい糖の精の踊り」、第4曲「ロシアの踊り」、第5曲「アラビアの踊り」、第6曲「中国の踊り」、第7曲「あし笛の踊り」、第8曲「花のワルツ」になります。第1曲「小序曲」は弦楽のきれいな響きと木管のきれいな響きが素晴らしいです。第2曲「行進曲」は金管の明るい響きと弦楽のピツィカートがきれいな響きです。第3曲「こんぺい糖の精の踊り」はチェレスタのきれいな響きが素晴らしいです。チャイコフスキーはこの曲でこの楽器を使いました。後半のオクターブ高い演奏がきれいです。第4曲「ロシアの踊り」は速いテンポ勢いのある演奏です。迫力もあります。第5曲「アラビアの踊り」は弦楽と木管の美しい響きが聴きものです。イングリッシュホルンも入ります。第6曲「中国の踊り」はフルートやピッコロが高らかに響きます。弦楽のピツィカートも良い響きです。第7曲「あし笛の踊り」は2本のフルートがきれいな響きです。そこにイングリッシュホルンのきれいな歌が入ります。中間部のトランペットの刻みもきれいです。第8曲「花のワルツ」はオーケストラにハープが入って華麗な響きです。ハープのカデンツァも素晴らしい響きです。ワルツに入るとホルンとクラリネットが良い響きです。全合奏になると弦楽の響きが素晴らしい演奏です。最後は感動的な見事な演奏です。
 チャイコフスキーの幻想序曲「ロメオとジュリエット」は幻想的な序奏からクライマックスへのスピード感あふれる演奏は驚きです。中間部の全合奏も勢いがあります。ジュリエットを思わせる哀愁的な演奏も素晴らしい演奏です。ホルンがきれいな響きです。後半の勢いと迫力のある演奏は素晴らしいです。そして哀愁的に歌う部分は感動的な演奏です。最後は迫力ある見事な演奏です。


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