チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲の演奏

ミッシャ・エルマン(1929)
CD(NAXOS 8.110912)

1.チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲
                 ニ長調Op35
2.  〃     / 憂鬱なセレナードOp26
3.ヴィエニャフスキ/ヴァイオリン協奏曲第2番
                ニ短調Op22

  ミッシャ・エルマン(ヴァイオリン)
  ジョン・バルビローリ指揮
    ロンドン交響楽団(1)
  ナサニエル・シルクレット指揮
    ヴィクター交響楽団(2)
  アレグザンダー・ヒルスバーグ指揮
  フィラデルフィア・ロビンフッド・デル管弦楽団
   1929年12月19&20日録音(1)
   1930年8月25日録音(2)
   1950年6月23日録音(3) 

 チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は1929年の録音です。エルマンのSP録音はフーベルマンに次ぐものでした。エルマンの演奏は歌うヴァイオリンであり聴いているとここまで崩すかというほどいわば演歌のようなところもあります。演奏はアウアー版のカットのあるもので、カデンツァや第1楽章の終結にエルマンの即興がはいる独特のものです。しかしながらその音色の美しさには酔いしれます。第3楽章の冒頭の演奏は驚きで今ではまず聞くことはできないでしょう。
 「憂鬱なセレナード」はエルマンならではの演奏で、変ロ短調というこの曲はロシア民謡的なメロディが流れます。ヴィブラートがきれいです。
 ヴィエニャフスキのヴァイオリン協奏曲第2番は戦後の録音で音質はきれいです。第1楽章の哀愁を帯びた主題はエルマンだからこそ表現できるものでしょう。第3楽章「ジプシー風に」はまさにハンガリー風の速いテンポの曲でエルマンのヴァイオリンが満喫できましょう。


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