メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲の演奏

レオニード・コーガン(1974)


CD1(Arlecchino ARL129)
CD2(DENON COCO-70843)
LP(Eurodisc OQ-7163k)

1.ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調Op26
2.メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲
                     ホ短調Op64

  レオニード・コーガン(ヴァイオリン)
  ロリン・マゼール指揮
  ベルリン放送交響楽団
  録音 1974年11月13〜15日

 レオニード・コーガンの名盤の1枚です。11月14日はコーガンの誕生日で50歳を記念しての録音でした。
 ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番ト短調は冒頭のティンパニのトリルから始まり前奏と共にヴァイオリン・ソロが哀愁的なメロディを歌いますが、このヴァイオリンがコーガンで聴くと素晴らしいものがあります。主部に入ると重音を奏でるヴァイオリンが力強く歌います。このヴァイオリンを聴くとしびれます。マゼールのサポートも素晴らしくコーガンのヴァイオリンを十分に引き立てています。展開部のオーケストラの盛り上がりは抜群です。ここがこの曲の聴きどころといっても過言ではないでしょう。再現部のヴァイオリンもまた素晴らしい。ここは泣けます。協奏曲はソロだけのものではないと感じました。第2楽章のみずみずしいヴァイオリンの響きと哀愁的なメロディ、そしてオーケストラとのバランスの良さは最高です。第3楽章の演奏もまた絶品。このブルッフは何度聞いても良いものです。オーケストラの響きの良さも素晴らしい。
 メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ホ短調はコーガン3度目の録音と思われます。円熟期の録音でヴァイオリンの響き、ボウイングの巧みさは素晴らしいものがります。第1楽章のカデンツァは絶品。第2楽章のヴァイオリンとオーケストラの調和のとれた響きは聞き逃せないでしょう。第3楽章の冒頭では管楽器とヴァイオリンが主題を演奏するところには驚きます。力みのないヴァイオリンです。この演奏は生演奏を聴いているかのようです。この楽章もオーケストラの響きが美しい。目から鱗の演奏です。


トップへ
戻る
前へ
次へ