
メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲の演奏
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CD(RCA BVCC-31088)
1.メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲
ホ短調Op64
2.ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op61
(カデンツァ:クライスラー)
ニコライ・スナイダー(ヴァイオリン)
ズビン・メータ指揮
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
録音 2005年7月17〜22日ライヴ
ニコライ・スナイダー(1975〜)はデンマーク生まれ、1997年のエリザベート王妃国際コンクールで優勝しています。
メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は冒頭から美しい響きで、しなやかさを感じさせる素晴らしい演奏です。メータのサポートも素晴らしいものです。カデンツァは伸びやかで力みもなく表現力を駆使した見事なものです。経過部のオーケストラも抑えの利いた良い響きです。再現部の美しさは絶品といえます。第2楽章のアンダンテは美しい響きのヴァイオリンが歌います。感動的な演奏です。第3楽章は序奏の美しさ、主部に入ってからは跳躍するような主題を木管楽器と重なるような響きもまた良いものです。メンデルゾーンのヴァイオリン協奏曲のイメージを一新するような名演奏です。
ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は序奏の響きが素晴らしいものです。メータの引き出すベートーヴェンの音楽は深いです。ヴァイオリンのソロが始まるとスナイダーのヴァイオリンは美しく、そして力強く歌います。さわやかな弦楽の響きとヴァイオリンの響きが何とも言えません。展開部においてはファゴットとの対話も美しい響きで、経過部のオーケストラの響きは厚いです。再現部の素晴らしい響きも特筆ものです。カデンツァはクライスラーのものですが、ストラディヴァリウスを充分に鳴らし切った素晴らしい演奏です。第2楽章のラルゲットはホルンとクラリネットとともにヴァイオリンのソロが始まります。このすすり泣くような演奏には感動します。経過部のオーケストラがまた素晴らしい。後半のオーケストラのピツィカートとともに歌うヴァイオリンのソロもきれいです。第3楽章のロンドは優しい響きのヴァイオリンで始まります。管楽器との絡みはきれいな響きです。カデンツァはヴァイオリンが良く響く素晴らしい演奏です。スナイダーの演奏はメータのサポートで最上級のベートーヴェンになりました。 |
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