その他のヴァイオリン協奏曲の演奏

ゴルトマルク/ヴァイオリン協奏曲第1番/ジョシュア・ベル(1999)
CD(SONY SRCR2495)

1.シベリウス/ヴァイオリン協奏曲ニ短調Op47
2.ゴルトマルク/ヴァイオリン協奏曲
             第1番イ短調Op28

  ジョシュア・ベル(ヴァイオリン)
  エサ・ペッカ・サロネン指揮
   ロスアンジェルス・フィルハーモニック
  録音 1999年5月24&25日

 アメリカのヴァイオリニスト、ジョシュア・ベルによるシベリスとゴルトマルクのヴァイオリン協奏曲です。
 シベリウスのヴァイオリン協奏曲は冒頭からレガート、ポルタメントを使いながら丁寧な演奏です。徐々に高揚していくところは素晴らしい演奏です。サロネンの引き出すシベリウスの響きはこれもまた素晴らしいものです。ベルの重音奏法も見事な響きです。間奏のあとにハイトーンで始まるカデンツァは力みのない丁寧な演奏です。再現部の迫力は見事なものです。第2楽章は穏やかな主題がヴァイオリンで奏でられます。中間部では大きな盛り上げ方をみせています。第3楽章は冒頭のヴァイオリン・ソロで力強い演奏が聞かれます。オーケストラの響きが鮮やかで勢いがあります。ヴァイオリンの重音も鮮やかです。
 カール・ゴルトマルク(1830〜1915)はハンガリー出身の作曲家です。ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調は1877年に初演された作品。第1楽章「アレグロ・モデラート」は弾むような主題の前奏で始まります。ヴァイオリン・ソロは間もなく始まりロマンティックな主題が奏でられます。第2楽章「アンダンテ」はオーケストラと共に穏やかな主題が歌われます。美しい響きです。第3楽章「モデラート〜アレグレット」はホルンの動機に始まり、弾むような軽快な主題をヴァイオリンが歌います。アレグレットからはオーケストラが大きく響くとヴァイオリンが優しく歌います。そしてカデンツァが入ります。後半はテンポアップして快活な音楽になります。この作品は後期ロマン派の作品のようですが演奏はさほど多くないと思われます。これはよい演奏です。


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