その他のヴァイオリン協奏曲の演奏

ドヴォルザーク/ヴァイオリン協奏曲/ルッジェーロ・リッチ(1961)
CD(LONDON POCL-4617)

1.チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲
                ニ長調Op35
2.ドヴォルザーク/ヴァイオリン協奏曲
                イ短調Op53

  ルッジェーロ・リッチ(ヴァイオリン)
  サー・マルコム・サージェント指揮
    ロンドン交響楽団
   録音 1961年1月5〜11日

 ルッジェーロ・リッチはチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を1975年にジャン・フルネと再録音しています。この1961年の録音は豪快で力強い演奏ではじけるような弓使いが見事です。イタリア系アメリカ人でパガニーニを得意としていますが、このチャイコフスキーの豊かな音楽性はリッチの名前を忘れられないものにしています。持ち前の明るさい響きがきらめきを放っています。ビヴラートのかけ方も巧みで、いやみのない響きになっています。第3楽章冒頭のレガートとはじけるピツィカートは見事です。スピード感のある鮮やかな演奏は素晴らしい。
 ドヴォルザークの協奏曲はこの当時ミルシテインやスーク、オイストラフなどが録音していますが、まだ日本ではさほど有名な曲ではありませんでした。今でこそたくさんお録音があって耳慣れた曲になりましたが、それにしてもリッチの演奏はサージェントのサポートもあってか大変美しいドヴォルザークになっています。32分の大曲ですが、第3楽章冒頭の親しみやすいメロディは一度聞いたら忘れられないでしょう。


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