メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲の演奏

アリーナ・イブラギモヴァ(2011)
CD(hyperion CDA67795)

メンデルスゾーン/名曲集
1.ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op64
2.序曲「フィンガルの洞窟」Op26
3.ヴァイオリン協奏曲ニ短調(1822)

  アリーナ・イブラギモヴァ(ヴァイオリン)(1&3)
  ウラディミ−ル・ユロフスキ指揮
  ジ・エイジ・オブ・インライトゥンメント管弦楽団
   録音2011年9月2〜4日
    ヘンリー・ウッド・ホール

 アリーナ・イブラギモヴァ(1985〜)はロシア生まれのヴァイオリニストです。1996年にイギリスに渡り、メニューイン音楽学校とロンドン王立音楽院で学んでいます。イブラギモヴァはピリオド楽器とモダン楽器を演奏します。この録音では1775年製のピリオド楽器を使っています。
 メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ホ短調はオーケストラもピリオド楽器ですから、派手な音ではありませんが味わい深い響きです。冒頭からさわやかな演奏です。カデンツァは速いテンポで颯爽と歌います。この演奏は迫力は感じませんがロマン派音楽の美しさがほとばしるようです。第2楽章はロマンティックな演奏です。第3楽章は速いテンポの演奏ですがヴァイオリンの音量が小さめで管楽器に押され気味です。やがてヴァイオリンが十分響くようになります。オーケストラの響きはきれいです。
 序曲「フィンガルの洞窟」はユロフスキの指揮です。ピリオド楽器による演奏は珍しいです。波が島にぶつかるようなティンパニの表現が見事な響きです。
 ヴァイオリン協奏曲ニ短調は1822年の作品。ヴァイオリンと弦楽のための作品です。愛らしい作品で第1楽章:アレグロの主題の美しさは一度聞いたら忘れそうもありません。弦楽の美しい響きもまた素晴らしいものです。第2楽章:アンダンテはほっとする美しさがあります。短いカデンツァが入ります。第3楽章;アレグロは軽快な主題で始まります。ヴァイオリンの細かいフレーズはメンデルスゾーンらしいです。イブラギモヴァの素晴らしい演奏が聴かれます。ここでも短いカデンツァが挿入されています。


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