メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲の演奏

イザベル・ファウスト(2017)
CD(harmonia mundi HMM902325)

メンデルスゾーン/作品集
1.ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op64
2.序曲「フィンガルの洞窟」Op26
3.交響曲第5番ニ短調Op107「宗教改革」

  イザベル・ファウスト(ヴァイオリン)(1)
  パブロ・エラス=カサド指揮
   フライブルク・バロック・オーケストラ
  録音2017年3月19〜22日

 イザベル・ファウストは1972年ドイツ生まれのヴァイオリニストです。
 メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は1704年製のストラディヴァリウスを弾いていますが、冒頭のソロが小さいのはガット弦かもしれません。フライブルク・バロック・オーケストラは古楽器オーケストラですから響きが独特です。トランペットはオリジナル楽器、ティンパニも重いです。カデンツァは速めのテンポで演奏しています。後半のヴァイオリンはよい響きですが音量は小さいです。第2楽章は控えめな音量になっています。ヴァイオリンが弱いのでオーケストラも抑えています。第3楽章はヴァイオリンが力強い響きを出しています。この速めのテンポはオーケストラも力が入ります。クレッシェンド効果が印象的です。
 序曲「フィンガルの洞窟」はスコットランドのヘブリディーズ諸島の島の洞窟に印象を受けて書かれたものです。荒波のような表現も独特です。フライブルク・バロック・オーケストラの響きは豪快で嵐のような響きが凄いです。現代オーケストラでは出てこない響きがあります。
 交響曲第5番「宗教改革」は1830年に作曲され番号は5番ですが1番の後に書かれています。マルチン・ルターの「神はやぐら」の主題が第4楽章に使われているため「宗教改革」の名があります。宗教改革が始まって500年を記念して録音されたようです。第1楽章から劇的な演奏が聴かれます。第3番「スコットランド」や第4番「イタリア」よりも強烈な印象を受けます。第2楽章のアレグロ・ヴィヴァーチェも勢いがあります。第3楽章のアンダンテは穏やかな響き、そして第4楽章の冒頭には「神はやぐら」が流れます。このアルバムのメインがこの「宗教改革」ですが3曲ともに強烈な印象を受けました。


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