「春の祭典」の演奏

ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー(1972)
CD(TESTAMENT JSBT8453)

ヘルベルト・フォン・カラヤン/ロンドン・ライヴ
1.モーツァルト/ディヴェルティメント第15番
                  変ロ長調K287
2.ストラヴィンスキー/バレエ音楽「春の祭典」
  ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
    ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
    1972年5月15日ライヴ録音
     ロイヤル・フェスティヴァル・ホール

 カラヤンがロンドンで演奏したときのライヴ録音。モーツァルトのディヴェルティメント第15番はカラヤンが生涯愛した曲で3度のスタジオ録音があり演奏旅行でもプログラムに度々取り上げていました。特に第2楽章:主題と変奏の美しさは絶品です。「春の祭典」はカラヤンが度々取り上げている曲で、演奏の面白さはどの楽器を強調しているかというところでしょう。1964年の録音から8年プログラムに取り上げたこの時の演奏は、ホルン・ソロをハウプトマンが吹いており、8人のホルン奏者が力強い演奏をしています。「春のきざし」でフルート・ソロが若干弱かったり、「誘拐」ではホルン・ソロの強奏のところでトランペットのフラッタータンギングが目立ったり意表をつかれるところがあります。「春のロンド」は厚みのある演奏です。「大地の踊り」は迫力満点。第2部の「いけにえの賛美」は大変興味深く、カラヤンの求めた響きの素晴らしさがあります。速いテンポで管と弦が融合した流麗な演奏になっています。打楽器の強打が光ります。「祖先の呼び出し」のティンパニの炸裂は聞き物です。「祖先の儀式」のホルンは8本の響きの素晴らしさが光ります。「いけにえの踊り」はテンポが速く打楽器と管弦のずれがわからないほど絶妙です。最後の一打に聴衆が歓声を上げているのも興奮の現れでしょう。 


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