「春の祭典」の演奏

サー・コリン・デイヴィス/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(1976)


LP(PHILIPS X-7783)
CD1(PHILIPS 32CD-511 416 498-2)
CD2(PHILIPS UCCP-9487)

1.ストラヴィンスキー/バレエ音楽「春の祭典」
2.    〃  /バレエ音楽「ペトルーシュカ」
                (1947年版)

  サー・コリン・デイヴィス指揮
  ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
   録音 1976年11月15日(1)
       1977年10月31日(2)

  コリン・デイヴィスがコンセルトヘボウを指揮した「春の祭典」と「ペトルーシュカ」です。
  ストラヴィンスキーの「春の祭典」は冒頭のファゴットの高い音が印象的です。初めて聴いたときは驚きました。木管楽器の響きの良さは素晴らしいものです。いずれも見事な演奏です。これぞ「春の祭典」といえます。E♭クラリネットは大変よく聞こえます。「春のきざし」は弦楽の刻みとホールの残響の豊かなこと、これが素晴らしい。パーカッションの大音響も聴きものです。ホルン・ソロが素晴らしい響きです。「誘拐」のパーカッションの響き、ホルンの強奏が素晴らしい。トランペットの響きも同様です。「春のロンド」ではクラリネットの主題に続く弦楽の重厚な響き、タムタムの迫力と打楽器が素晴らしい。これには驚きます。「敵対する町の遊び」は勢いがあり、緊張感も感じられます。ティンパニがよい響きです。「賢者の行進」では大迫力の演奏が聴かれます。「大地の踊り」はそのスピード感と迫力には圧倒されます。これは素晴らしい演奏です。第2部の序奏はよい響きです。弦と管のバランスが絶妙です。「乙女の神秘的な踊り」も並々ならぬ緊張感、ホルンはよい響きです。「いけにえの賛美」の前の和音はテンポが速く、「いけにえの賛美」もまた凄いです。管楽器とパーカッションの迫力に圧倒されそうです。息つく暇もないようです。「祖先の呼び出し」はティンパニの強打とクレッシェンドは迫力があります。「祖先の儀式」でのホルンとトランペットの強奏は見事な響き、パーカッションも素晴らしい。「いけにえの踊り」の圧倒的な演奏、金管の響きが素晴らしい。後半の緊張感、ティンパニとタムタムの響きがよく聞こえます。また最後の「ピカドン」の前にたっぷりと間をおいて終結。これは圧倒的、素晴らしい演奏です。
 「ペトルーシュカ」は「謝肉祭の日」冒頭からフルートの鮮やかな演奏が素晴らしい。弦楽の厚みのある演奏と金管の響き、これは素晴らしい。クラリネット、ティンパニの鮮やかな響き、後半のフルート・ソロも絶品演奏です。「ロシアの踊り」はピアノ、ヴァイオリン、管楽器の見事な演奏が聴かれます。「ペトルーシュカの部屋」のピアノが大変きれいです。この演奏はバレエ・ステージが見えそうです。ピアノに乗ったフルートもきれいです。「ムーア人の部屋」のトランペット・ソロは滑らかで完璧です。続く「ワルツ」のファゴット、フルート、トランペットの掛け合いは見事です。「謝肉祭の市」は勢いのある演奏で良い響きです。整然とした演奏と管楽器の巧みなこと、「乳母の踊り」ではホルンが良い響きです。21「熊を連れた農夫の踊り」はテューバとクラリネットの対話が絶品。この「ペトルーシュカ」も素晴らしい演奏です。絶賛したいと思います。


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