「春の祭典」の演奏

エフゲニー・スヴェトラノフ/ソビエト国立交響楽団(1966)



LP(メロディア C 01303−4)
CD1(Classical CR−031)
CD2(SCRIBENDUM SC 030)
CD3(VEHEЦИЯ CDVE24244)

CD3ストラヴィンスキー/バレエ音楽
1.バレエ音楽「春の祭典」
2.バレエ音楽「ペトルーシュカ」
3.バレエ音楽「カルタ遊び」
4.バレエ音楽「妖精の口づけ」
  エフゲニー・スヴェトラーノフ指揮
  ソビエト国立交響楽団
  録音 1966年5月24日(1)
    1970年(2&3)
    1998年(4)

  スヴェトラーノフによるストラヴィンスキーのバレエ音楽です。
 「春の祭典」は冒頭のファゴットの高い音がビヴラートがかかって印象的です。木管楽器の響きの良さは素晴らしいものです。
いずれも見事な演奏です。E♭クラリネットは大変よく聞こえます。「春のきざし」はパーカッションの大音響が凄いです。ホルン・ソロも素晴らしい響きです。「誘拐」のパーカッションの響き、ホルンの強奏が素晴らしい。トランペットの響きも同様です。「春のロンド」ではクラリネットの主題に続く弦楽の重厚な響き、タムタムの迫力と打楽器が素晴らしい。「敵対する町の遊び」は勢いがあり、緊張感も感じられます。金管とティンパニがよい響きです。「賢者の行進」では大迫力の演奏が聴かれます。「大地の踊り」はそのスピード感とパーカッションの迫力には圧倒されます。これは素晴らしい演奏です。
 第2部の序奏はよい響きです。弦と管のバランスが絶妙です。「乙女の神秘的な踊り」も並々ならぬ緊張感、アルトフルートとホルンはよい響きです。「いけにえの賛美」の前の和音では間があって、そしてテンポが速く、「いけにえの賛美」もまた凄いです。管楽器とパーカッションの迫力に圧倒されそうです。これは凄い演奏です。「祖先の呼び出し」はゆったりとしたティンパニの強打とバスドラムのクレッシェンドは大変迫力があります。「祖先の儀式」でのホルンとトランペットの強奏は素晴らしい響き、パーカッションも見事な演奏です。「いけにえの踊り」の圧倒的な演奏、金管の響きが素晴らしい。ティンパニとタムタムの響きには圧倒されます。金管の底力も感じられます。また最後の「ピカドン」の前にたっぷりと間をおいて終結。これは圧倒的、素晴らしい演奏です。
 「ペトルーシュカ」は「謝肉祭の日」冒頭からフルートの鮮やかな演奏が素晴らしい。弦楽の厚みのある演奏と金管の響き、これは素晴らしい。クラリネット、ティンパニ、グロッケンの鮮やかな響き、「ロシアの踊り」ではフルート・ソロが絶品演奏です。「ペトルーシュカの部屋」のピアノが大変きれいです。ピアノに乗ったフルートもきれいです。「ムーア人の部屋」のトランペット・ソロは滑らかで完璧です。続く「ワルツ」のファゴット、フルート、トランペットの掛け合いは見事です。「謝肉祭の市」は勢いのある演奏で良い響きです。整然とした演奏と管楽器の巧みなこと、「乳母の踊り」ではホルンが良い響きです。「熊を連れた農夫の踊り」はテューバとクラリネットの対話が絶品。この「ペトルーシュカ」も素晴らしい演奏です。絶賛したいと思います。
 バレエ音楽「カルタ遊び」は全3場からなるバレエ音楽です。ポーカーをする様子になります。3つのラウンドがあって、第2ラウンドでは行進曲が演奏され、第3ラウンドにはドリーブの「コッペリア」やロッシーニの「セビリアの理髪師」などをパロディ風に使われた部分もあります。
 バレエ音楽「妖精の口づけ」は抜粋のディヴェルティメントのほうではなく、全曲版です。演奏時間も47分の大作です。このバレエ音楽は1928年に書かれていて、チャイコフスキーのピアノ小品を管弦楽にしたものがほとんどです。それだけに音楽は聴いていて楽しいものです。


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