メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲の演奏

ジョコンダ・デ・ヴィート(1952)
CD(URANIA URN22.220)

1.メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲
               ホ短調Op64
2.R・シュトラウス/交響詩「死と変容」Op24
3.ハイドン/交響曲第88番ト長調

  ジョコンダ・デ・ヴィート(ヴァイオリン)(1)
  ウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮
   トリノ・イタリア放送交響楽団
    1952年3月11日ライヴ録音(1)
    1952年3月3日ライヴ録音(2&3)

 イタリアの名ヴァイオリン奏者ジョコンダ・デ・ヴィートとフルトヴェングラーの共演です。3月7日にはブラームスの協奏曲を演奏していました。
 デ・ヴィートの弾くメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲はポルタメントを使いながら独特のボウイングで大変感動的な演奏をきかせています。このフルトヴェングラーとの共演はLPでは音質が悪かったのですが、このCDはきれいな音質になっています。貴重な録音が良い音で聞かれるようになってよかったです。
 「死と変容」はフルトヴェングラーがウィーン・フィルと名演を残していますが、このトリノのオーケストラとも良い響きを出しています。
 ハイドンの交響曲第88番は「V字」の愛称がありますが、この愛称は出版の整理番号だったので、最近は使われないようです。タイトル付の交響曲が好きな日本人には番号を思い出すのには良い目印でした。フルトヴェングラーはこの第88番を好んだようでベルリン・フィルとウィーン・フィルで録音を残しています。トリノの演奏は音質もよく、深みのある響きが見事です。第1楽章の歯切れよさ、第2楽章:ラルゴでは弦楽の美しさがあります。フィナーレはハイドンの特徴がよく出ているアレグロ・コン・スピリットです。強弱の面白さがあります。オーケストラの一糸乱れぬ演奏は見事です。


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