「春の祭典」の演奏

ズビン・メータ/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1985)
CD(ORFEO C566 012B)2枚組

CD1
シューベルト/交響曲第8(9)番ハ長調D944「ザ・グレート」
CD2
ストラヴィンスキー/バレエ音楽「春の祭典」

 ズビン・メータ指揮
  ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
  録音 1985年8月21日
    ザルツブルク音楽祭ライヴ

 ズビン・メータが1985年のザルツブルク音楽祭でウィーン・フィルを指揮した「ザ・グレート」と「春の祭典」です。
 シューベルトの交響曲第8(9)番ハ長調「ザ・グレート」は初演当時は1時間近い演奏時間を要した大曲でした。第1楽章の序奏はホルンの主題始まります。主部のアレグロ・マ・ノン・トロッポは快いテンポで美しい主題が歌われ金管楽器特にトロンボーンが時折よい響きで目立ちます。ウィーン・フィルはお得意の作品らしく素晴らしい演奏を聴かせてくれます。第2楽章のアンダンテ・コン・モトはオーボエの美しい主題に始まります。そして強弱のある部分が続きます。そして美しい主題の再現、展開部の盛りあがり、後半の美しい響きがあります。第3楽章のスケルツォはおなじみの快適な主題に始まります。管楽器と弦楽の掛け合いのようです。トリオの木管合奏の響きの良さはウィーン・フィルらしいです。後半は迫力あるスケルツォです。第4楽章のアレグロ・ヴィヴァーチェは迫力ある主題が続きます。シューベルトの傑作ともいえるこの作品は天国的な響き、迫力ある厚い響きとウィーン・フィルの素晴らしい演奏が聴かれます。メータの指揮も見事なものです。
 ストラヴィンスキーの「春の祭典」はメータの得意とする作品です。序奏はファゴットに始まります。木管楽器の響きが素晴らしくE♭クラリネットの響きもきれいです。「春のきざし」はごきげんなテンポで厚い響きです。ファゴットやピッコロトランペットがよく響きます。打楽器の迫力、ホルン・ソロも素晴しい響きです。「誘拐」は打楽器の迫力は見事、ホルンの強奏もよく響きます。「春のロンド」は低弦のどっしりとした厚みのある響き、管楽器の良い響き、打楽器の迫力ある響きが聞きもの。タムタムの大音響もあります。「賢者の行列」の大音量も素晴らしい響きです。「大地の踊り」の盛り上がりは大太鼓の凄い音、タムタムの炸裂そして金管の大活躍が素晴らしいです。第2部の序奏は良い響きで緊張感があります。アルトフルートがよく響きます。「乙女の神秘的な踊り」で聞かれるホルンはきれいな響きです。「いけにえの賛美」直前の和音は厚い響き、「いけにえの賛美」は圧倒的な演奏が素晴らしい。管楽器、パーカッションの迫力は見事なものです。緊張感があります。「祖先の呼び出し」はティンパニの「ドドドン」が迫力あります。「祖先の儀式」は速いテンポで抜群の響きです。ホルンの強奏は素晴らしい響きです。打楽器は迫力あります。「いけにえの踊り」では打楽器の迫力、金管の抜群の演奏があります。ティンパニの張りのある響き、タムタムの響きの良さ、金管の迫力ある驚きも凄いです。最後の和音は「ピシャドン」の圧倒的な響きが素晴らしいです。さすがにメータの「春の祭典」は素晴らしい演奏です。


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