ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲の演奏

ジネット・ヌヴー(1949)

CD1(SWR SWR19018CD)2枚組
CD2(hanssler CD93.033)
CD1
1.ブラームス/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op77
    (カデンツァ:ヨアヒム)
2.ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op61
    (カデンツァ:クライスラー)

 ジネット・ヌヴー(ヴァイオリン)
 ロジェ・デゾルミエール指揮
   フランス国立放送管弦楽団(1)
 ハンス・ロスバウト指揮
  南西ドイツ放送交響楽団(2)
  録音 1948年4月25日ライヴ(1)
      1949年9月25日(2)
CD2/ロスバウト/ベートーヴェン作品集
1.ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op61
   (カデンツァ:クライスラー)
2.ベートーヴェン/交響曲第8番ヘ長調Op93

  ジネット・ヌヴー(ヴァイオリン)(1)
  ハンス・ロスバウト指揮
     南西ドイツ放送交響楽団
     1949年9月25日録音(1)
     1961年6月23&24日録音(2)

 ブラームスのヴァイオリン協奏曲はヌヴーがデゾルミエール率いるフランス国立放送とドイツに演奏旅行したときの録音。バーデンバーデンの演奏会でした。第1楽章はオーケストラに支えられながら良い響きを出しています。ニューリマスターで大変良い響きになりました。力強いヴァイオリンが聞こえます。展開部の演奏も弦が切れんばかりの力強い演奏です。カデンツァは気迫に満ちた力強い演奏です。重音の響きが素晴らしい。そして表現力の豊かさにも驚きます。第2楽章では管楽器との対話がきれいです。フランスのホルンでもこの演奏ではビヴラートはかけていませんがヴァイオリンとの対話がきれいです。ヌヴーは時にはポルタメントを使いながら抒情的に歌っています。さすがにヌヴーの演奏は素晴らしい。泣かせてくれます。第3楽章は力の入る演奏です。オーケストラと共に圧倒的な演奏を聴かせてくれます。ヌヴーのブラームスはどれを聴いても凄い演奏です。
 ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は2種類残されていますが、こちらはハンス・ロスバウト指揮南西ドイツ放送交響楽団との共演です。演奏は絶品そのもの、ヌヴー事故死の1ヶ月前のものです。第1楽章の気迫に満ちた演奏は鬼気迫るものさえ感じられます。ヴァイオリンの厚い響きは男性のような力強さがあります。カデンツァの気迫に満ちた演奏も凄いです。重音の響きの素晴らしさは絶品です。第2楽章は繊細なヴァイオリンですすりなくようなボウイングには感動です。終結のカデンツァではアドリブがあります。第3楽章は大変美しい響きのヴァイオリンです。ここでも厚い響きの演奏が素晴らしいものです。カデンツァはここでも力強い演奏で、聴けば聴くほど引き込まれてしまいます。
 CD2にはロスバウトのベートーヴェン/交響曲第8番が収録されています。ロスバウトの数少ない演奏であり、大変貴重な録音です。その演奏はとてもやわらかな響きで、この曲から女性的な響きを引き出しているかのようです。ややレガート気味の第1楽章、リズム感が楽しい第2楽章、第3楽章メヌエットは管楽器の美しい響き、トリオのホルン・デュオがまたきれいな演奏です。 


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