ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲の演奏

ウォルフガング・シュナイダーハン(1962-1)
CD-R(Forgotten Records fr-1452)

シュナイダーハン/名演集
1.ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op61
    (カデンツァ:シュナイダーハン)
2.マルタン/ヴァイオリン協奏曲

ウォルフガング・シュナイダーハン(ヴァイオリン)
ジャン・マルティノン指揮
フランス放送フィルハーモニー管弦楽団(1)
ヨーゼフ・カイルベルト指揮
フランス国立放送管弦楽団(2)

録音 1962年3月30日ライヴ(1)
    1959年8月18日ライヴ(2)

 ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲はシュナイダーハンがヨッフムとベルリン・フィルで録音した頃でした。フランスでマルティノンとの共演です。第1楽章は序奏の後に、気迫に満ちたシュナイダーハンのヴァイオリンが始まります。展開部から再現部へと素晴らしい響きの演奏です。管楽器の明るい音色も素晴らしいです。カデンツァはベートーヴェンがこの曲のピアノ版のために書いたカデンツァをヴァイオリン用に編曲して演奏しています。ティンパニのオブリガートが入る長大なカデンツァです。シュナイダーハンの演奏は緊張感のある美しい演奏です。第2楽章では序奏のあとにヴァイオリンと共に響くホルンの明るい音色が当時のフランス独特のものです。シュナイダーハンのヴァイオリンは大変緊張感のある繊細な演奏です。終結のカデンツァは見事な演奏です。第3楽章も見事な演奏です。提示部のカデンツァがあります。展開部のファゴットとヴァイオリンの対話もきれいです。後半のカデンツァも素晴らしい演奏です。マルティノンの指揮で、この演奏も素晴らしいものです。
 フランク・マルタン(1890-1974)のヴァイオリン協奏曲はシュナイダーハンのソロ、カイルベルトの指揮で演奏しています。シュナイダーハンはこの協奏曲をフルトヴェングラーやマルタンの指揮でも録音していました。第1楽章:アレグロ・トランクウィロは現代作品とはいえ、ロマン的な作品です。オーケストラとヴァイオリンが対話するように響きます。第2楽章:アンダンテ・モルト・モデラートはマルタンの音楽の中にヴァイオリンが入るという雰囲気です。後半の間奏はマルタンの作品らしい響きです。切れ目なく続く第3楽章:プレストはヴァイオリンとオーケストラが快速に歌うもので、ここではシュナイダーハンのヴァイオリンもきれいに響きます。シュナイダーハンがこの作品を好んだのもよくわかりそうです。良い演奏です。


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