ブラームス/ヴァイオリン協奏曲の演奏

エディト・パイネマン(1970年代)
CDR(JOY CLASSICS JOYCD−9000)

パイネマン/ブラームス&シベリウス
1.ブラームス/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op77
         (カデンツァ:ヨアヒム)
   23:37/10:19/8:26(計42分22秒)
2.シベリウス/ヴァイオリン協奏曲ニ短調Op47

  エディト・パイネマン(ヴァイオリン)
  ズデニェク・マーカル指揮
      バンベルク響楽団(1)
  カール・アントン・リッケンバッハー指揮
   北ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団(2)
     1970年代ライヴ録音

 パイネマンは1937年生まれのドイツの女流ヴァイオリニスト。1956年のミュンヘン国際コンクール入賞の経歴を持つ。どちらかといえば男性的な演奏スタイルで、このブラームスでも力強く、フォルティシモはよく響きます。また時にはすすり泣くようなビヴラートをきかせており、改めて聴くとパイネマンというヴァイオリニストがあまりにも録音が少ないことを残念に思います。
 このブラームスはテンポが遅く42分かけての演奏はじっくり聴かせるものになりました。第2楽章のアダージョはまさにアダージョです。管楽器のからみも長大な演奏になりました。ヴァイオリンのソロがゆったりと歌われ、ビヴラートをかけた美しい演奏が続きます。ホルンやフルートとの対話がきれいです。第3楽章も若干遅めでしっかりと音を大切に演奏しています。
 シベリウスの協奏曲はパイネマンの個性が十分に発揮された演奏になりました。この曲は重音が多くパワーが必要なだけにピッタリと思います。ホールの響きが良く、ヴァイオリンがきれいに響きます。オーケストラは重厚な響きになっています。第3楽章では若干遅めのテンポで音とリズムを大切に弾いています。大変個性的な演奏でさらっと流すことなく感情移入が見られます。大変感動的な演奏です。


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