ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲の演奏

ダヴィッド・オイストラフ(1965)
CD(BBC BBCL 4127−2)

1.ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op61
         (カデンツァ:クライスラー)
2.モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第4番
  ニ長調K218

  ダヴィッド・オイストラフ(ヴァイオリン)
  キリル・コンドラシン指揮
   モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団
  録音 1965年10月10日ライヴ(1)モノラル
      1965年10月12日ライヴ(2)モノラル
    ロイヤル・フェスティヴァル・ホール

 オイストラフの貴重なベートーヴェン・ライヴです。オイストラフはブラームスの協奏曲を数多く演奏していましたが、ベートーヴェンのライヴは少なく、他にジュリーニ、アーベントロート、コンヴィチュニーとのライヴがあるくらいです。このロンドンでのライヴはコンドラシンとのヨーロッパ演奏旅行のときのもので10月9日にはロストロポーヴィチとブラームスのダブル・コンチェルトを演奏していました。
 ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲はコンドラシンの音づくりは重厚でありつつ、オイストラフのヴァイオリンを引き立てています。オイストラフの音色は常に安定して気品に満ちた神がかり的な響きが聞かれます。モノラルですが、ほとんど気にならない美しい音色のベートーヴェンです。パーフェクトそのものです。第3楽章を聞いてもどうしてこんなにも美しく、厚みのある音が出るのか不思議なほどです。
 モーツァルトはヴァイオリン協奏曲第4番を演奏しています。オイストラフは生涯モーツァルトを愛して演奏していました。モーツァルトは高域の音がわりあい多く、演奏は楽ではないと思いますが、曲がすすむほど乗っています。このモーツァルトも歴史に残る名演といえるでしょう。


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