ブラームス/ヴァイオリン協奏曲の演奏

レオニード・コーガン(1976)
CD(YEDANG YCC−0012)

1.ブラームス/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op77
     (カデンツァ:ヨアヒム)
   21:22/9:16/7:35(計38分13秒)
2.ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調Op26

  レオニード・コーガン(ヴァイオリン)(1)
  ヴィクトル・トレチャコフ(ヴァイオリン)(2)
  パーヴェル・コーガン指揮(1)
  アレクザンダー・ラザレフ指揮(2)
    ソビエト国立交響楽団
    1976年5月18日ライヴ録音(1)
    1981年3月21日ライヴ録音(2)

 コーガンのブラームスは6種以上の録音がありますが、この録音は息子パーヴェルの指揮で演奏した最後の録音になります。51歳の時の演奏です。第1楽章はやや速めのテンポです。オーケストラの響きはさすがに素晴らしく、スヴェトラーノフに鍛えられた時代の見事なものです。コーガンのヴァイオリンは心なしか気迫が足りないような、穏やかな演奏に聞こえます。愛器グァルネリが十分に鳴りきっていないような気がします。カデンツァはさすがに見事な演奏です。第2楽章の序奏は木管とホルンがきれいです。ヴァイオリン・ソロはポルタメントを使った抒情的なメロディーが素晴らしい。第3楽章は冒頭力の入った演奏です。若干力みすぎのところもありますが、この演奏はコーガンとしては全盛期を過ぎたという印象は否めないでしょう。
 トレチャコフのブルッフは録音状態が大変きれいです。80年代になって器材の違いでしょう。トレチャコフのヴァイオリンは大変よく鳴っています。つやのある美しい響きで、重音を見事に弾いています。このブルッフはコーガンの名盤がありますが、それに迫る見事な演奏、テクニックは抜群です。第3楽章の演奏も素晴らしい。この曲は重音が多いのでパワーが必要ですが見事な演奏です。


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