チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲の演奏

チョン・キョンファ(1970)
CD(LONDON POCL-9960)
 
1.チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲
               ニ長調Op35
2.シベリウス/ヴァイオリン協奏曲
               ニ短調Op47

  チョン・キョンファ(ヴァイオリン)
  アンドレ・プレヴィン指揮
    ロンドン交響楽団
   録音 1970年6月

 チョン・キョンファは1967年のレーヴェントリット国際コンクールで優勝、1970年にはロンドン・デビューで絶賛を浴びました。この2曲は彼女のデビューレコードでした。
 チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲はパワフルな演奏で気迫に満ちたものです。時には繊細な表現をみせていますが力の限り弾いているような気がします。とはいってもこの演奏は巨匠顔負けの完璧な演奏といっても良いでしょう。22歳にして巨匠の域に達したような名演です。プレヴィンのサポートも素晴らしく、ロンドン交響楽団の名演があってこそのこの録音ができたのでしょう。第3楽章冒頭のソロから主部への流れが見事です。
 シベリウスのヴァイオリン協奏曲はテクニックだけでなく、力強さと繊細さを兼ね備えた演奏家によってこそ名演が生まれますが、彼女の演奏の凄さは驚くほどです。カデンツァの力強い演奏は見事です。第3楽章のおいても弾むようなリズムが生き生きしています。


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