惑星の演奏

サー・チャールズ・グローヴズ/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(1987)
CD(Autograph MAC CD903)

1.ホルスト/組曲「惑星」Op32
2.  〃 /セントポール組曲Op29−2
  サー・チャールズ・グローヴズ指揮 
   ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
    フィルハーモニア合唱団女声コーラス
   録音 1987年7月
 
 チャールズ・グローヴズ(1915〜1992)は1963年から1977年までロイヤル・リヴァプール・フィルの首席指揮者をつとめて有名になりました。この「惑星」は1987年に録音されたもので、ロイヤル・フィルの演奏の中でも群を抜く名演奏です。
 パーカッションが大活躍する「火星」は冒頭から異様なまでの響きが戦争の神を象徴するこの曲のイメージにぴったりです。「金星」の美しさは限りなく、実際は灼熱の惑星ということを忘れさせる深遠なまでの美しい響きがあります。「水星」ははじけるようなスケルツォで、チェレスタとハープの音が新鮮です。管楽器のうまさも抜群です。
 「木星」は金管、中でもホルン・アンサンブルが重要な位置をしめますが、このロイヤル・フィルのホルン・セクションは申し分なく大変きれいに融合した和音を聴かせています。「ジュピターのテーマ」の美しさも魅力です。「土星」は大音量時の金管セクションの圧倒的な響きが凄いです。鐘の音は比較的おとなしいほうです。「天王星」は冒頭の金管の和音の後のティンパニの大音響が印象的です。主題に入ってからの第2主題の金管は素晴らしい。「海王星」は神秘的な響きが素晴らしいです。チェレスタの扱いが見事で、ハープとのバランスが絶妙です。女声コーラスが遠くから響くときにクラリネットが吹く主題もきれいで、ホルンの和音がバックに絶妙に溶け込んでいます。この海王星は絶品です。
 弦楽セクションのアンサンブルを楽しめる「セントポール組曲」も素晴らしい演奏です。


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