「海」の演奏(2)

アルトゥーロ・トスカニーニ/NBC交響楽団(1940)
CD(NAXOS 8.110811-2)2枚組

CD1
1.ドビュッシー/スコットランド行進曲
2.  〃   /舞曲(スティリア風タランテラ)
3.  〃   /選ばれし乙女
4.  〃   /夜想曲より「雲」「祭り」
5.  〃   /イベリア
CD2
6.ドビュッシー/交響詩「海」
7.  〃   /スコットランド行進曲
         〜リハーサル
8.  〃   /夜想曲より「雲」「祭り」
         〜リハーサル
  ヤルミラ・ノヴォトナ(ソプラノ)(3)
  ヘルサ・グラッツ(コントラルト)(3)
  アルトゥーロ・トスカニーニ指揮
    NBC交響楽団
    スコラ・カントゥールム女声合唱団(3)
  録音 1940年4月13日
    ニューヨーク、ロックフェラーセンター・ライヴ

 このアルバムはNBCの公開放送の録音です。オール・ドビュッシーのプログラムです。リハーサル風景も収録されています。
「スコットランド行進曲」と「舞曲(スティリア風タランテラ)」のあとに「選ばれし乙女」が演奏されています。ノヴォトナとグラッツのソロですが、前奏の管弦楽の演奏が実に素晴らしい。合唱が入って二人の歌、ヴァイオリン・ソロとこの作品の美しさが感動を呼びます。
 「夜想曲」は合唱団がいても第3曲「海の精」を演奏しないのがもったいないですが、「雲」「祭り」の演奏はやはり凄いです。
「イベリア」はとにかく第1曲の気迫が凄まじいです。第3曲「祭りの日の朝」も同様です。
 「海」は録音が古いながらも第1曲「海の夜明けから真昼まで」は弦楽のさざなみ、きらめき、フルートの美しい響き、ホルンの響きが素晴らしいものです。テンポは速く勢いがあります。コーダの大波は打楽器、管楽器の迫力が凄いです。第2曲「波の戯れ」は管楽器の響き、グロッケンとハープ、そして弦楽のきらめきが聞き所。第3曲「風と海との対話」では冒頭の響きが凄いです。(一部欠落あり)トランペットの響き、ホルンと弦楽の対話も素晴らしいです。弦楽が波しぶきのように聞こえています。後半の合いの手パッセージは挿入されませんが終結の圧倒的な演奏は凄いです。
 「リハーサル」はトスカニーニの声と音楽作りの様子がわかって大変興味深いです。


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