ブラームス/ヴァイオリン協奏曲の演奏

ナージャ・サレルノ=ソネンバーグ(1988)

CD1(EMI TOCE−6188)
CD2(EMI TOCE−3359)

1.ブラームス/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op77
       (カデンツァ:クライスラー)
   27:22/10:21/8:28(計46分11秒)
2.ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番
                ト短調Op26

ナージャ・サレルノ=ソネンバーグ(ヴァイオリン)
エド・デ・ワールト指揮ミネソタ管弦楽団
  録音 1988年9月

 アメリカのナージャ・サレルノ=ソネンバーグによるブラームスとブルッフのヴァイオリン協奏曲です。
 ブラームスのヴァイオリン協奏曲は3つの楽章で構成されています。第1楽章のアレグロ・ノン・トロッポはエド・デ・ワールトの引き出すブラームスの響きの良さ、その上にナージャのヴァイオリンが乗ってきます。テンポの変化を見せながらも主題の美しさを際立たせる素晴らしい演奏です。クライスラーのカデンツァが素晴らしく、この曲に対する思い入れの深さが感じられます。無伴奏のヴァイオリン作品にように長いカデンツァで見事な演奏です。第2楽章はオーボエのソロが美しく、管楽器の和音と共に見事な演奏になっています。ヴァイオリンが入るとホルンがきれいに響くこの協奏曲は魅力的です。ナージャのヴァイオリンの美音が素晴らしいです。第3楽章は力強い響きのヴァイオリンに始まって、オーケストラもよい響きです。ナージャの演奏は全体的にやや遅めのテンポですが素晴らしい演奏でした。
 ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番は序奏のあとに歌われるヴァイオリンのソロがきれいです。レガートでたっぷりと歌うヴァイオリンは素晴らしいです。重音も鮮やかで、楽器がよく響きます。第2楽章のアダージョは情感豊かに歌っています。中間部のクライマックスはこの曲の聴きどころでもあります。第3楽章も鮮やかなテクニックで重音の多いこの曲を見事に弾いています。オーケストラの美しい響きも見事です。
(CD1は1991年発売、CD2は1998年発売の国内盤)


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