「海」の演奏(2)

ヴァフタン・カヒーゼ/トビリシ交響楽団(1990年代)
CD(Mazur Media INF−22)

1.ドビュッシー/交響詩「海」
2.  〃   /牧神の午後への前奏曲
3.  〃   /3つの夜想曲

  ヴァフタン・カヒーゼ指揮
    トビリシ交響楽団
    トビリシ祝祭合唱団(3)
    録音 1990年代

 ヴァフタン(ヴァハタン)・カヒーゼはヤンスク・カヒーゼの息子です。父親の影響が大きく音楽も20世紀の巨匠のような演奏です。「海」はホールトーンも良く、オーケストラの響きが素晴らしいです。第1曲「海の夜明けから真昼まで」のコーダが凄いです。第2曲「海の戯れ」ではハープのきらめきがきれいです。第3曲「風と海との対話」も良い響きを出しています。後半に挿入されるパッセージは入らない版を使っていますが続くコルネットの連続するフレーズと最後の三連音符の高らかな演奏は注目です。他の演奏ではほとんど聴かれないでしょう。全音スコアのデュラン・オリジナル版による演奏です。
 「牧神の午後への前奏曲」は冒頭が聞き所ですが、ホールの残響が良いためフルート、ハープ、ホルンの響きが大変きれいです。
3つの夜想曲は第1曲「雲」の響きはフランスのオーケストラのようです。バランスの良い音づくりは見事です。第2曲「祭り」は管楽器と弦楽器の見事なかけあい、そしてはじけるハープが聞き所。第3曲「シレーヌ」はホルンや管楽器と女声合唱の対話が良い雰囲気を出しています。 


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