惑星の演奏

サー・ロジャー・ノリントン/シュトゥットガルト放送交響楽団(2001)
CD(hanssler CD 93.043)

1.ホルスト/組曲「惑星」Op32
2.エルガー/弦楽のためのセレナードOp20
  サー・ロジャー・ノリントン指揮
   シュトゥットガルト放送交響楽団
   シュトゥットガルト・ヴォーカル・アンサンブル
                (海王星)
   録音 2001年6月27〜29日ライヴ

 サー・ロジャー・ノリントンはイギリスの指揮者、ボールトに学んでおりホルストはお得意と思われますが、このドイツのオーケストラとの共演はイギリスのオーケストラとは異なる響きになりました。
 「火星」はライヴ録音ということもあり管楽器のバランスが気になるところもありますが演奏は重厚という印象です。火星の五拍子のリズムの頭を強調する独特の演奏は面白く、3連符の頭の音を全曲にわたってアクセントをつけています。大変ユニークな演奏。
 「金星」はドイツの明るいホルンで始まるきれいな演奏です。少し足取りが重く感じられるところは、ドイツのオーケストラらしいところでしょうか。「水星」は少し遅めのスケルツォです。「木星」は程良いテンポです。第2主題のホルン、第3主題のホルンがきれいですが、第4主題の「ジュピターのテーマ」はテンポがやや速く、もう少し遅くてもいいようです。
 「土星」はテンポの変化が激しい曲ですが雰囲気はあります。クライマックスの鐘が聞こえにくいのはホルンの音に溶け込んでいるためのようです。きれいなアダージョです。「天王星」は第1主題の演奏が大変きれいです。さすがにこの曲ではオーケストラの力量が発揮されています。「海王星」は木管の響きが堅いような感じがします。この神秘的な響きをバランス良く演奏することの難しさを感じます。ライヴ演奏だけにチェレスタ、ハープとのバランスが難しいです。クラリネットの主題と女声合唱が重なるところはホルンが少し強く、クラリネットの主題が負けそうです。
 エルガーの弦楽のためのセレナードは名曲です。弦楽セクションの生き生きとした演奏が素晴らしい。


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