シベリウス/ヴァイオリン協奏曲の演奏

ボリス・ベルキン(1978)
CD(DECCA 478 8909)

1.バーバー/ヴァイオリン協奏曲Op14
2.シベリウス/ヴァイオリンと管弦楽のための
           セレナード第2番Op69−2
3. 〃   /ヴァイオリン協奏曲ニ短調Op47

  ジョシュア・ベル(ヴァイオリン)(1)
  デイヴィッド・ジンマン指揮
   ボルティモア交響楽団(1)
  ボリス・ベルキン(ヴァイオリン)(2&3)
  ウラディミール・アシュケナージ指揮
   フィルハーモニア管弦楽団(2&3)
   録音 1996年1月(1)
       1979年1月(2)
       1978年4月(3)

 アメリカのヴァイオリニスト、ジョシュア・ベルによるバーバーのヴァイオリン協奏曲とロシアのヴァイオリニスト、ボリス・ベルキンによるシベリウスです。
 サミュエル・バーバー(1910〜1981)のヴァイオリン協奏曲は1939年に書かれています。3つの楽章で構成されています。バーバーらしいロマンティックな作品で第2楽章のアンダンテは弦楽の美しい響きが印象的です。ジョシュア・ベルの美しいヴァイオリンが流麗に奏でられます。第3楽章は速いテンポでアメリカ的な響きが感じられます。
 シベリウスのヴァイオリンと管弦楽のためのセレナード第2番は2つのセレナードの第2番。シベリウスの響きとヴァイオリンの抒情的美しさが聴きどころです。
 シベリウスのヴァイオリン協奏曲は冒頭徐々に高揚していくところは流麗な演奏です。強い印象は受けませんが徐々にヴァイオリンを鳴らしていきます。カデンツァの力強い演奏はさすがに見事なものです。第2楽章は穏やかな主題が流れるだけにオーケストラの響かせ方が重要になります。アシュケナージはバランスのよい演奏で、中間部では大きな盛り上げ方をみせています。第3楽章は冒頭のヴァイオリン・ソロで力強い演奏が聞かれます。オーケストラの響きが大きいところと控えめのところがヴァイオリン・ソロを引き立てています。ベルキンは丁寧に力強く演奏しています。


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