シベリウス/ヴァイオリン協奏曲の演奏

レオニダス・カヴァコス(1991原典版)(1990改訂版)
CD(BIS BIS−CD−500)
 
1.シベリウス/ヴァイオリン協奏曲ニ短調Op47
                (原典版)
2.   〃 /ヴァイオリン協奏曲ニ短調Op47
                (改訂版)

  レオニダス・カヴァコス(ヴァイオリン)
  オスモ・ヴァンスカ指揮ラハティ交響楽団
    1991年1月7&10日録音(1)
    1990年11月19&21日録音(2)

 シベリウスのヴァイオリン協奏曲の原典版と現行の改訂版を2種類収めた貴重なアルバムです。BISのシベリウス全集ならではの企画です。このヴァイオリン協奏曲はあまりにも有名で、ヴァイオリニストの誰もが演奏を手がける名曲です。
 世界初録音の原典版で最大の特徴は第1楽章に挿入される2つのカデンツァです。中程に入る第1のカデンツァ(4分40秒)とコーダ直前に入る第2のカデンツァ(2分38秒)があります。第1のカデンツァは改訂版にも挿入されていますが、第2のカデンツァは削除されています。この第2カデンツァの前に「メンデルスゾーン間奏曲」という部分があり、改訂版にないメロディとカデンツァが続きます。
 第2楽章にも原典版では最後に短いコーダ(第3のコーダ)が入ります。第3楽章は聞き慣れたメロディーの他に、改訂版では削除されたメロディーが入っていますので、聴いているとはっとさせられます。カヴァコスによる改訂版の演奏は聴きなれた曲だけにほっとします。その演奏はまた素晴らしく、ヴァンスカお得意のシベリウスの響きをたっぷり楽しむことができます。


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