
ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲の演奏
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CD(harmonia mundi KICC2469)
1.ベートーベン/.ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op61
(カデンツァ:ベートーベン)
2.ベートーベン/ヴァイオリン・ソナタ 第9番
イ長調Op47「クロイツェル」
イザベル・ファウスト(ヴァイオリン)
イルジー・ビエロフラーヴェク指揮
プラハ・フィルハーモニア(1)
アレクサンドル・メルニコフ(ピアノ)(2)
録音2006年4月22〜24日(1)
2006年5月29&30日(2)
イザベル・ファウストが最初に録音したベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲とクロイツェル・ソナタです。
ヴァイオリン協奏曲ニ長調はプラハでの録音でした。イザベルが30代になってからの繊細なヴァイオリンはこの作品の美しさを教えてくれます。オーケストラの響きも素晴らしいものです。第1楽章の展開部はファゴットとの対話がきれいに響きます。経過部のヴァイオリンの美しさ、再現部からの勢いのある演奏、見事なものです。カデンツァはベートーヴェンがピアノ版のために書いたものをヴァイオリンで演奏しています。途中にティンパニが入ります。長大なカデンツァ見事な演奏です。第2楽章はホルンとクラリネットとの対話が大変きれいです。やがてファゴットとの対話になります。ここが聴きどころです。オーケストラの間奏があってヴァイオリンの美しいソロになります。第3楽章の前にカデンツァが入ります。そして切れ目なく第3楽章に入ります。勢いのあるオーケストラ、美しい響きのヴァイオリン、まさにベートーヴェンの響きです。提示部に短いカデンツァが入ります。このロンド楽章のオーケストラとヴァイオリンは申し分のない演奏です。カデンツァにおいてもファウストの腕が鳴っています。非の打ちどころがありません。名演です。
ヴァイオリン・ソナタ 第9番「クロイツェル」はメルニコフのピアノとの共演です。第1楽章の序奏、力みのないヴァイオリンが印象的です。主部のプレストにおいては力強いヴァイオリンとピアノがベートーヴェンの世界に誘ってくれます。恐ろしいほどの気迫を感じます。これは素晴らしい演奏です。第2楽章はアンダンテ・コン・ヴァリアツィオーニ、ベートーヴェンの優しい面をみせた美しい主題が流れます。第1楽章とは対照的です。癒されます。そして繊細なヴァリエーションと穏やかなヴァリエーションと美しい響きがたまりません。第3楽章のプレストはベートーヴェンのピアノ作品としても素晴らしい作品です。ヴァイオリンとピアノのためのソナタなんですが、ヴァイオリン・オブリガート付きのピアノ・ソナタといってもよいほどピアニストにとっても腕の見せ所です。メルニコフに喝采を贈りたいです。ファウストのヴァイオリンとメルニコフのピアノに感動です。絶賛したいです。 |
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