ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲の演奏

キム・ミンジン(2006)
CD(SONY 88697 144422)

ベートーヴェン/ヴァイオリン作品集
 1.ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op61
    (カデンツァ:ヨアヒム)
 2.ヴァイオリン・ソナタ第7番ハ短調Op30−2

   キム・ミンジン(ヴァイオリン)
   サー・アンドリュー・デイヴィス指揮
    フィルハーモニア管弦楽団(1)
   イアン・ブラウン(ピアノ)(2)
    録音 2006年7月9&10日(1)
        2006年7月29&30日(2)

  キム・ミンジンは韓国出身のヴァイオリニストで6歳からヴァイオリンを初めていますが9歳の時にはシュレスヴィヒ。ホルシュタイン音楽祭に参加、11歳の時にはモーツァルト国際コンクールで優勝、1991年にはベルリンで国際デビューを果たしています。
  ベートーヴェンの協奏曲は透明感のある美しい響きのヴァイオリンで力みのない素晴らしい演奏です。カデンツァは最近では珍しいヨアヒムのもので大変良い響きです。しかも伸びやかで自在な演奏が見事です。第2楽章の中間部では壮大な響きが素晴らしく、後半のソロになると弱奏の美しさがあります。第3楽章のロンドはオーケストラの重厚な響きとヴァイオリンの美音で雄大な音楽を作っています。 
  ヴァイオリン・ソナタ第7番はハ短調という調性がベートーヴェンの傑作の中に多く、この作品も冒頭から親しみやすい主題が流れます。ミンジンのヴァイオリンの響きは力強くベートーヴェンの音楽を深く読み込んでいるようです。第2楽章のアダージョ・カンタービレは叙情的な主題を歌います。第3楽章のスケルツォはピアノとヴァイオリンの対話が素晴らしく、フィナーレは力強い演奏が見事です。


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