メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲の演奏

ベンヤミン・シュミット(2008)
CD(OEHMS CLASSICS OC 725)

1.メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲
               ホ短調Op64
2.シューマン/ヴァイオリンと管弦楽のための
              幻想曲ハ長調Op131
3.ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番
                ト短調Op26

  ベンヤミン・シュミット(ヴァイオリン)
  ダニエル・ライスキン指揮
  ライン州立フィルハーモニー管弦楽団
  録音 2008年2月(1&2)
      2007年12月(3)

 ベンヤミン・シュミットは1968年ウィーン生まれ。1992年のカール・フレッシュ国際コンクールで優勝して一躍有名になりました
 メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ホ短調は39歳になったシュミットが満を持して録音したものです。大変澄んだ音色のヴァイオリンで奏でるメンデルスゾーンは時折瑞々しい音色が聞こえて聞きほれてしまいます。第1楽章のカデンツァも素晴らしい。第2楽章のヴァイオリン・ソロは時折ポルタメントを使う絶品の演奏です。第3楽章のヴァイオリンとオーケストラが跳躍的なフレーズを演奏するところが聴きどころです。さわやかな印象を受ける演奏です。
 シューマンのヴァイオリンと管弦楽のための幻想曲はヨアヒムに献呈された作品です。シューマンの重みのあるオーケストラと語りかけるようなヴァイオリンが特徴です。交響曲の中のヴァイオリン・ソロのようにも聞こえてきます。コーダ前にカデンツァが入ります。
 ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番ト短調は冒頭のティンパニのトリルから始まり前奏と共にヴァイオリン・ソロが哀愁的なメロディを歌います。シュミットのヴァイオリンは優しい響きで力みのない美しさがあります。オーケストラは厚みがあり良い響きです。第2楽章も瑞々しいヴァイオリンの響きとオーケストラとのバランスの良さは素晴らしいものです。第3楽章の華やかな演奏もまた絶品、このブルッフは何度聞いても良いものです。


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