2000年以後の「春の祭典」

サー・サイモン・ラトル/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(2012)
CD(WARNER WPCS-13359)

ストラヴィンスキー/作品集
1.バレエ音楽「春の祭典」(1947年版)
2.管楽器のための交響曲(1947年版)
3.バレエ音楽「ミューズの神を率いるアポロ」
                 (1947年版)

 サー・サイモン・ラトル指揮
  ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
  録音 2012年11月8〜10日(1)
      2007年9月20〜22日(2)
      2011年2月16〜18日(3)
 ベルリン、フィルハーモニー/ライヴ録音

 サイモン・ラトルがベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮した演奏会のライヴ録音です。
 バレエ音楽「春の祭典」は冒頭のファゴットのソロがきれいに響きます。続く木管楽器の響きの良さもまたいうことありません。クラリネットがよく響きます。ピッコロ、コールアングレも大変素晴らしい響きです。「春のきざし」も良い響きを出しています。パーカッションの大音響も聴きものです。ホルン・ソロが大変きれいな響きを出しています。「誘拐」のパーカッションの響きは抜群、金管とホルンの強奏もよく響きます。「春のロンド」では弦楽の厚み、タムタムと大太鼓の迫力が素晴らしい。金管の迫力ある響きも抜群です。「敵対する町の遊び」は勢いがあり、金管の迫力ある演奏も凄いです。「賢者の行進」は迫力ある素晴らしい演奏です。「大地の踊り」はそのスピード感とパーカッションの圧倒的な迫力は素晴らしいものです。
 第2部の序奏はよい響きで緊張感があります。「乙女の神秘的な踊り」で聞かれるアルトフルートとホルンはきれいな響きです。「いけにえの賛美」の前の和音から迫力があり、「いけにえの賛美」もまた凄いです。管楽器とパーカッションの迫力が素晴らしい。大太鼓の響きには圧倒されるようです。「祖先の呼び出し」はティンパニの強打とバスドラムのクレッシェンドが素晴らしい響きです。「祖先の儀式」でのホルンの強奏は見事な響きで、弦楽の厚み、パーカッションも素晴らしい響きです。「いけにえの踊り」の圧倒的な演奏、金管とパーカッションの響きが厚いです。タムタムの響きもよく聞こえます。圧倒的な迫力です。後半の緊張感が素晴らしいです。最後はたっぷり間をおいてピカドンで終わります。これは大変素晴らしい演奏です。絶賛したい名演です。

 管楽器のための交響曲は単一楽章です。「ドビュッシーの思い出に捧げる管楽器のための交響曲」と題されているそうです。ファンファーレとコラールのような音楽が管楽器の演奏で聴かれます。ベルリン・フィルの名手たちの演奏は素晴らしいです。
 バレエ音楽「ミューズの神を率いるアポロ」は弦楽のみの演奏です。冒頭の第1場「プロローグ」から良い響きです。第2場では「アポロのヴァリアシオン」でヴァイオリン・ソロが聴かれます。「パ・ダクシオン」からはきれいな弦楽アンサンブルです。低弦は良い響きです。「アポロの第2のヴァリアシオン」や「コーダ」の迫力ある演奏は素晴らしいです。終曲の「アポテオーズ」は見事なアンサンブルです。ベルリン・フィルの素晴らしい演奏です。


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