ブラームス/ヴァイオリン協奏曲の演奏

ルノー・カピュソン(2011)
CD(ERATO WPCS-13013)

1.ブラームス/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op77
      (カデンツァ:クライスラー)
2.ベルク/ヴァイオリン協奏曲
          「ある天使の思い出に」

  ルノー・カピュソン(ヴァイオリン)
  ダニエル・ハーディング指揮
   ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
  録音 2011年12月19〜22日

 ルノー・カピュソンはフランスのヴァイオリニストでトマス・ブランディスやアイザック・スターンに師事しています。マーラー・ユンゲント管弦楽団のコンサート・マスターをつとめたこともあります。2008年にはベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を録音しています。
 ブラームスのヴァイオリン協奏曲は繊細なヴァイオリンの美しさを感じさせる素晴らしい演奏です。時折きかせるポルタメントは20世紀の演奏家のようですが、それもあってこの演奏は豊かな表現力をみせる名演奏になっています。カデンツァはクライスラーのものを演奏しています。トリルが美しいこのカデンツァをカピュソンは選んでくれました。完璧な演奏です。第2楽章はウィンナ・オーボエのソロとウィンナホルンの美しい響きが奏でられ、ヴァイオリン・ソロはポルタメントを使って哀愁的な主題を奏でます。21世紀の名演として語り継ぎたい素晴らしい演奏です。第3楽章は快適なテンポでオーケストラとの掛け合いの絶妙なこと、豊かな響きのヴァイオリンはこの協奏曲の素晴らしさを教えてくれます。文句なしの名演です。
 ベルクのヴァイオリン協奏曲はカピュソンが大変好きな作品ということです。ハーディングの指揮も見事でウィーン・フィルから引き出す響きは絶妙です。カピュソンのヴァイオリンは豊かな響きでこの協奏曲の秘めたる美しさを見事に演奏しています。2つの楽章で構成されていますが、この作品は聴けば聴くほどその魅力に引き込まれます。


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