ブラームス/ヴァイオリン協奏曲の演奏

リサ・バティアシュヴィリ(2012)
CD(DGG UCCG−51061)

1.ブラームス/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op77
    (カデンツァ:ブゾーニ)
2.クララ・シューマン/3つのロマンスOp22
3.ブラームス/ハンガリー舞曲第2番ニ短調
              (ヨアヒム編)

  リサ・バティアシュヴィリ(ヴァイオリン)
  アリス=紗良・オット(ピアノ)(2&3)
  クリスティアン・ティーレマン指揮
  ドレスデン・シュターツカペレ(1)
  録音 2012年6月(1)
      2012年10月(2)
      2012年7月(3)

 バティアシュヴィリのブラームスは初演者ヨーゼフ・ヨアヒムが所有していたストラディヴァリウス「ヨアヒム」を使って演奏したもので瑞々しい響きが魅力です。
 ヴァイオリン協奏曲は実に美しい響きのヴァイオリンです。力強い演奏ではありませんが「ヨアヒム」から引き出す響きをバティアシュヴィリらしさを持ちながらの演奏と言えるでしょう。中でも第2楽章のアダージョでの美しさは絶品です。カデンツァですが、バティアシュヴィリは珍しくブゾーニのカデンツァを弾いています。冒頭からティンパニの強打というティーレマンのサポートがありますが全体としては美しいヴァイオリンを響かせるものです。最後にオーケストラが加わって弱音のままカデンツァが終わるので物足りませんがこれがブゾーニのカデンツァです。第3楽章はヴァイオリンの力強い演奏もある聴きどころの多い楽章です。
 シューマン夫人クララ・シューマンの3つのロマンスはヨアヒムのために書いたようです。当時ブラームスとヨアヒムの親交はあつくブラームスと親しかったクララはヨアヒムに献呈したようです。第1曲変ニ長調、第2曲ト短調、第3番変ロ調となっています。美しい作品です。
 ブラームスのハンガリー舞曲集はピアノ連弾作品ですが、オーケストラへの編曲が有名です。ヨアヒムは21曲をヴァイオリンとピアノのために編曲していました。ここではボーナスとして2番が演奏されています。重音が力強いです。


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