惑星の演奏

パーヴォ・ヤルヴィ/シンシナティ交響楽団(2008)
CD(TELARC CD−80743)

1.ホルスト/組曲「惑星」Op32
  1)火星 2)金星
  3)水星 4)木星
  5)土星 6)天王星
  7)海王星
2.ブリテン/青少年のための管弦楽入門Op34
 
  パーヴォ・ヤルヴィ指揮
    シンシナティ交響楽団
       女声合唱団(7)
   録音 2008年11月23&24日

 パーヴォ・ヤルヴィはシンシナティ交響楽団の音楽監督を2001年〜2010年の10年間つとめましたが、この「惑星」はその間に録音した中でもきわめて優秀な録音のひとつでしょう。
 「火星」は冒頭から気迫に満ちた演奏、弦楽器のコル・レーニョがはっきり聞こえます。テンポは速めでスピード感があります。金管楽器の厚みのある演奏、パーカッションの迫力は抜群です。「金星」はホルンの響きがきれいです。ディミヌエンドで吹く主題はホルン奏者の腕のみせどころですが、大変素晴らしい演奏です。弦楽の透明感、木管楽器、ハープの美しさも素晴らしい。
 「水星」は管楽器のアンサンブルが聞きものですが、翼を持つ使者のイメージを出しているのはグロッケンシュピールとチェレスタでしょう。スコアを見ると演奏は困難な曲です。「木星」は全曲中の圧巻です。弦楽の厚みのある演奏、ホルンの主題など圧倒されます。第2主題の勢いのある演奏、第3主題のホルンは大変良い響きです。また第4主題「ジュピターの主題」は弦楽の厚みのある演奏が素晴らしいです。
 「土星」の序奏部では弦楽の透明感のある演奏、バス・オーボエの響きが印象的、中間部のクライマックスでは鐘を響かせながらも金管楽器の迫力は十分です。「天王星」は冒頭のティンパニの強打が見事です、ファゴットの主題からホルンと弦楽器の第2主題も素晴らしいです。
 「海王星」は冒頭のフルートの神秘的な響き、そしてオーボエ、ピッコロの応答という5拍子の曲というのが面白いです。木管楽器のアンサンブル、ハープとチェレスタの響きが素晴らしい。管楽器をどれだけ押さえるかで主題がきまるのですが、クラリネットの主題が実に見事に響いてます。女声ヴォカリーズの美しいコーラスも聞きものです。
 ブリテンの青少年のための管弦楽入門はナレーション抜きで演奏すれば管弦楽曲として完成された変奏曲とフーガです。ヤルヴィの演奏は
迫力十分、オーケストラの力量がよくわかる名演奏です。


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