2000年以後の「春の祭典」

クラウス・マケラ/パリ管弦楽団(2022)
CD(DECCA 485 3946)

ストラヴィンスキー/作品集
1.バレエ音楽「春の祭典」(1947年版)
2.バレエ音楽「火の鳥」(全曲)(1910年版)

 クラウス・マケラ指揮
  パリ管弦楽団
 録音 2022年10月5〜7日(1)
     2022年9月21&22日(2)
    パリ・フィルハーモニー

 クラウス・マケラ(1996〜)はフィンランド生まれの26歳。2020年に24歳の若さでオスロ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任、翌2021年からは名門パリ管弦楽団の音楽監督にも就任しました。ストラヴィンスキーのバレエ音楽が録音されました、
 バレエ音楽「春の祭典」は冒頭のバスーンのソロがゆったりと、きれいに響きます。続く木管楽器の響きの良さもまた見事です。クラリネットがよく響きます。ピッコロ、コールアングレも大変素晴らしいものです。ざわめきのように聞こえるところはマケラの指揮のせいかもしれません。「春のきざし」も弦楽が厚い響きを出しています。これは凄いです。パーカッションの大音響も聴きものです。ホルン・ソロが大変きれいな響きを出しています。「誘拐」のパーカッションの響きは抜群、金管とホルンの強奏もよく響きます。「春のロンド」では弦楽の厚み、タムタムと大太鼓の迫力が素晴らしい。金管の迫力ある響きも見事です。圧倒的です。「敵対する町の遊び」は勢いがあり、金管の迫力ある演奏も凄いです。パーカッションの響きも圧倒的です。「賢者の行進」は素晴らしい演奏です。「大地の踊り」はそのスピード感とパーカッションの圧倒的な迫力は素晴らしいものです。凄いです。
 第2部の序奏はよい響きで素晴らしい演奏です。「乙女の神秘的な踊り」で聞かれるアルトフルートとホルンはきれいな響きです。「いけにえの賛美」の前の和音から迫力があり、「いけにえの賛美」もまた凄いです。管楽器とパーカッションの迫力が素晴らしい。緊張感があります。大太鼓の響きには圧倒されるようです。「祖先の呼び出し」はティンパニの強打とバスドラムのクレッシェンドが素晴らしい響きです。圧倒されそうです。「祖先の儀式」でのホルンの強奏は見事な響きと弦楽の厚み、パーカッションも素晴らしい。「いけにえの踊り」の圧倒的な演奏、後半の緊張感が素晴らしい。金管とパーカッションの響きが厚いです。タムタムの響きもよく聞こえます。圧倒的な迫力です。最後は少し間をおいてピカドンで終わります。これは大変素晴らしい演奏です。絶賛したい名演です。

 バレエ音楽「火の鳥」は1910年版による全曲演奏です。導入部の整然とした演奏、第1場では「イワン王子の突然の登場」から「王女たちのロンド」の美しい響きはこの作品の聴きどころでもあります。素晴らしい響きです。コールアングレやハープも良い響きです。「カスチェイ王の凶暴な踊り」は迫力のある演奏です。パーカッションやホルンも良い響きです。「子守歌」は組曲でおなじみのところです。バスーンのソロがきれいな響きです。第2場はホルンの美しいソロに始まって迫力のフィナーレになります。素晴らしい演奏です。これも名演です。


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