2000年以後の「春の祭典」

ミッコ・フランク/フランス放送フィルハーモニー管弦楽団(2021)

CD(ALPHA_CLASSICS ALPHA-894)

ストラヴィンスキー/作品集
1.カプリッチョ〜ピアノと管弦楽のための
2.八重奏曲〜8つの管楽器のための
3.バレエ音楽「春の祭典」

 ナターリア・ミルシテイン(ピアノ)(1)
 ミッコ・フランク指揮
  フランス放送フィルハーモニー管弦楽団
  録音 2021年12月(1)
      2021年9月(2)
      2021年10月(3)
   ラジオ・フランス・オーディトリアム

 ミッコ・フランク指揮のフランス放送フィルハーモニー管弦楽団によるストラヴィンスキーの作品です。
 カプリッチョはピアノと管弦楽のための作品です。1929年に書かれ、3つの楽章で構成されています。第1楽章「プレスト」、第2楽章「アンダンテ・ラプソディコ」、第3楽章「アレグロ・カプリチオーソ」になります。ナターリア・ミルシテインのピアノ・ソロによる演奏です。第1楽章からストラヴィンスキーらしい作品で、華やかで、力強さもあり、オーケストラにも勢いのあるピアノ協奏曲風の作品です。ストーリーも感じられます。第2楽章はピアノがきれいに響きます。第3楽章はピアノとオーケストラの掛け合いが素晴らしい演奏です。これは見事な演奏です。
 八重奏曲は8つの管楽器のための作品で、フルート、クラリネット、2本のバスーン(ファゴット)、2本のトランペット、2本のトロンボーンによる八重奏です。ホルンは入りません。3つの楽章で構成され、第1楽章「シンフォニア/レント、アレグロ・モデラート」、第2楽章「主題と変奏・アンダンティーノ」、第3楽章「フィナーレ」になります。第1楽章は主部になるとトランペットが活躍して明るい響きになります。第2楽章は変奏曲になるとトロンボーンの響きが目立ってきます。楽しそうな八重奏です。バスーンの響きもきれいです。切れ目なしに入る第3楽章は木管四重奏に始まってやがて金管が加わります。華やかな響きの八重奏曲です。
 バレエ音楽「春の祭典」は冒頭のバスーンのソロがゆったりと、きれいに響きます。続く木管楽器の響きの良さもまたいうことありません。クラリネットがよく響きます。ピッコロ、コールアングレも大変素晴らしいものです。「春のきざし」も弦楽が良い響きを出しています。パーカッションの大音響も聴きものです。ホルン・ソロが大変きれいな響きを出しています。「誘拐」のパーカッションの響きは抜群、金管とホルンの強奏もよく響きます。「春のロンド」では弦楽の厚み、タムタムと大太鼓の迫力が素晴らしい。金管の迫力ある響きも見事です。「敵対する町の遊び」は勢いがあり、金管の迫力ある演奏も凄いです。「賢者の行進」は素晴らしい演奏です。「大地の踊り」はそのスピード感とパーカッションの圧倒的な迫力は素晴らしいものです。
 第2部の序奏はよい響きで緊張感があります。「乙女の神秘的な踊り」で聞かれるアルトフルートとホルンはきれいな響きです。「いけにえの賛美」の前の和音から迫力があり、「いけにえの賛美」もまた凄いです。管楽器とパーカッションの迫力が素晴らしい。緊張感があります。大太鼓の響きには圧倒されるようです。「祖先の呼び出し」はティンパニの強打とバスドラムのクレッシェンドが素晴らしい響きです。「祖先の儀式」でのホルンの強奏は見事な響きと弦楽の厚み、パーカッションも素晴らしい。「いけにえの踊り」の圧倒的な演奏、後半の緊張感が素晴らしい。金管とパーカッションの響きが厚いです。タムタムの響きもよく聞こえます。圧倒的な迫力です。最後は少し間をおいて一打で終わります。これは大変素晴らしい演奏です。名演です。


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