惑星の演奏

大友 直人/東京交響楽団(2013)
CD(KING KICC1120)

ホルスト/組曲「惑星」Op32
 1.火星(7:28) 2.金星(7:36)
 3.水星(4:05) 4.木星(8:11)
 5.土星(8:20) 6.天王星(5:36)
 7.海王星(8:05)

  大友 直人指揮
    東京交響楽団
    東響コーラス(7)
  録音 2013年9月28日
     サントリーホール・ライヴ

 大友直人が満を持して東響を指揮した「惑星」です。
 火星」は管楽器のうまさが光る迫力のある演奏です。管と弦の厚みのある演奏が見事です。中間部のうねり、管楽器と弦楽の絡み、クライマックスの金管の強奏は迫力あります。オルガンも聞こえています。コーダの迫力は素晴らしい。「金星」はホルンで始まります。ジョナサン・ハミルの透明感あるホルンが素晴らしい響きです。ヴァイオリン・ソロからの弦楽の美しさも聞きどころ。オーボエのソロ、チェロのソロも良い響きです。大変美しいアダージョです。「水星」はスケルツォ、管楽器とハープの厚みのある響き、弦楽の細かい刻み、チェレスタとのバランス等大変難しい曲ですが隙のない演奏は見事です。
 「木星」は最も有名な曲でテンポの変化など大友の腕の見せ所です。第2主題のホルンがたっぷりと歌われています。アンダンテの「ジュピター」のテーマは朗々と歌われ白眉の演奏、感動ものです。再現部の素晴らしい響き、テンポを落としてのアッチェルランドなどボールトを思わせるところも注目。見事な演奏です。
 「土星」はアダージョ、重い足取りのような部分が続いてクライマックスになります。鐘が鳴り響きます。この曲は後半の神秘的な響きも聞きものです。「王星」はアレグロ、冒頭金管に続くティンパニの響きが強烈、ホルンと弦楽のユニゾーンは迫力あります。後半の盛大な響きには圧倒されます。ハープが響いて終わります。「海王星」はフルートに始まる最も神秘的な響きの曲です。5拍子の変則的なところが効果的のようです。チェレスタの響きはまさに神秘です。クラリネットの主題が実に良い響きです。現に受け継がれるといよいよ女声コーラスが聞こえてきます。この演奏ではステージ裏で歌われていますので大変効果的で最微音まで聞かれます。素晴らしい演奏です。


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