惑星の演奏

フィオナ・ヨーク&ジョン・ヨーク(2台のピアノ版)(2010)
CD(Nimbus NI 5871)

1.ホルスト/組曲「惑星」Op32
  (作曲者自身の編曲による2台のピアノ版)
2.ヨーク・ボーエン/3楽章の組曲Op52 
3.   〃    /組曲第2番Op71より
       第3楽章:フィナーレ

  フィオナ・ヨーク(ピアノ)
  ジョン・ヨーク(ピアノ)
  録音 2010年2月18&19日(1)
      2010年7月20日(2&3)
  ニンバス・ファウンデーション・コンサートホール

 イギリスのピアノ・デュオ、ヨーク2(York2)によるホルストとボーエンの作品です。惑星は作曲者のアレンジですが、一部ヨーク2の手が加えられているようです。
 「火星」はピアノタッチの素晴らしさがあります。中間部のテナーチューバのソロからは見事な響きになっています。「金星」はきれいなアダージョになっています。冒頭は弱奏の美しさがあります。情景が浮かびます。これは素晴らしいピアノ作品です。「水星」はスケルツォ、これも良い響きです。グロッケンの音がピアノでも効果的に響きます。この演奏は息がピッタリで驚きます。
 「木星」は冒頭から勢いのある演奏でピアノのキラメキガ素晴らしい。第1主題の勢いと第2主題の華麗な響きそして第3主題の豪華な響き、「ジュピターのテーマ」は穏やかに始まり抒情的な演奏です。「」は穏やかなアダージョで、ピアノは主題がわかりやすいです。この土星は素直に耳に入ってきます。クライマックスでは鐘の響きをそれほど強調することなく演奏しています。音楽の一部になっています。後半は神秘的です。ここはアレンジの手を加えているようです。「天王星」は冒頭の重厚な響きが見事です。主部に入るとピアノの明るい響きがまぶしいほどです。ファゴットのフレーズがピアノでもファゴットのように聞こえて驚きます。この天王星は素晴らしい。「海王星」は冒頭から神秘的な響きです。繊細なタッチが見事です。チェレスタやハープのように絶妙な加減で素晴らしい響きを出しています。クラリネットの主題が出てくると緊張感がたかります。次第に消え行くように終わります。
 ヨーク・ボーエンの「3楽章の組曲Op52」は2台のピアノのための作品。文字通り3つの楽章で構成されています。第1楽章「プレリュード、モデラート・エ・マエストーソ」第2楽章「ダンス、アレグロ・ヴォヴォ」第3楽章「ノクターン。ポコ・レント」になっています。大変ロマンティックな作品です。 第3楽章の「ノクターン」は魅力的な音楽です。
 最後の「組曲第2番Op71」からの第3楽章「フィナーレ」は速いテンポの小品です。デュオのためのアンコール作品のようです。


トップへ
戻る
前へ
次へ