惑星の演奏

サー・マルコム・サージェント/BBC交響楽団(1957)

CD(EMI TOCE−1217)
LP(EMI EAC-80076)

ホルスト/組曲「惑星」Op32

  サー・マルコム・サージェント指揮
    BBC交響楽団
    BBC女声合唱団(海王星)
    1957年8月12日&
        9月2&3日録音
     キングスウェイ・ホール

 サージェントは「惑星」をロンドン交響楽団と1954年にモノラル録音したばりでしたが、その3年後にステレオ録音したのでした。今聞いても大変な名演であり、ボールトと共に「惑星」を有名にした功績は大きいでしょう。
 「火星」では冒頭で弦楽が弓の背で弦をたたく音が鮮明で、打楽器の活躍と共に壮大な宇宙を作り上げています。「金星」のおだやかで美しい響き、「水星」の見事なアンサンブル、しかもこの演奏は大変速いテンポで驚きます。「木星」は冒頭の弦楽器のきらめきが素晴らしい。このような演奏は滅多に聴けないでしょう。第2主題直前のルフトパウゼ、第3主題のホルンのきれいな響き、第4主題の「ジュピターのテーマ」のカンタービレの美しさは白眉。
 「土星」は冒頭から並々ならぬ思いが感じられ、クレッシェンドの素晴らしいこと、管楽器の美しさ、中間部の各楽器の鮮明なこと、鐘の響きのクリアなこと、実に理想的な「土星」になっています。「天王星」は冒頭のフェルマータ、チューバ、ティンパニの強打と重厚で驚きの遅いテンポで始まります。主部の快適なテンポはオーケストラのうまさが際だつ演奏です。「海王星」の神秘的な響きは管楽器、ハープ、チェレスタの絶妙なバランスということなしの名演です。


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