ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲の演奏

ヨーゼフ・シゲティ(1932)
CD(EMI TOCE−9408)

1.ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op61
      (カデンツァ:ヨアヒム)  
2.メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲
                  ホ短調Op64

  ヨーゼフ・シゲティ(ヴァイオリン)
  ブルーノ・ワルター指揮
    ブリティッシュ交響楽団(1)
  サー・トーマス・ビーチャム指揮
   ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団(2)
   録音 1932年(1)
       1933年(2)

 ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲はシゲティ第1回目の録音でワルターとは1947年にも2回目の録音があります。この1932年の録音はSP録音でLPへ復刻されていました。演奏はワルターの素晴らしいオーケストラ・サウンドに乗ったヴァイオリンが厚い響きを聞かせるもので、LPでは感じられなかったつやのある音です。聞けばきくほどシゲティの魅力にはまりそうです。カデンツァはヨアヒムの作を弾いています。生々しい音がバッハを演奏するかのように響きます。第2楽章の終結でのカデンツァも素晴らしい演奏です。第3楽章の鮮やかな演奏、オーケストラの響きのよさは見事です。
 メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は当時クライスラーの録音くらいしかなかった時代でロマン的な演奏として愛聴されたことでしょう。改めて聞いても甘い音色、絶妙なビヴラート、ボウイングの鮮やかなこと実に魅力あふれる演奏です。


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