ブラームス/ヴァイオリン協奏曲の演奏

ヨーゼフ・シゲティ(1945)
CD(JOY SOUND KC−1051)

ヴァイオリン協奏曲集
1.ブラームス/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op77
       ( カデンツァ:ヨアヒム)
   21:14/8:43/7:44(計37分41秒)
2.ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調Op26

  ヨーゼフ・シゲティ(ヴァイオリン)(1)
  ユージン・オーマンディ指揮
    フィラデルフィア管弦楽団(1)
  ゲオルグ・クーレンカンプ(ヴァイオリン)(2)
  ヨーゼフ・カイルベルト指揮
   ベルリンフィルハーモニー管弦楽団(2)
   1945年2月23日録音(1)
   1941年録音(2)

 シゲティ2度目のブラームスです。録音状態もよくかなりきれいな音質で聞かれます。オーマンディの指揮は正統派でテンポを動かすこともなく、シゲティのサポートに徹していますが、この時期のフィラデルフィアの優秀なことは言うまでもなく、管楽器も優秀で完璧な演奏になっています。シゲティのヴァイオリンは優雅なビヴラートで、時にはすすり泣くような音になります。晩年のころよりもこの時期の演奏のほうが良いかもしれません。第1楽章のカデンツァはヨアヒムのものですが、実に美しい演奏です。ホール一杯に響きます。第2楽章の管楽器は絶品でしょう。オーボエの美しさ、ヴァイオリンのソロの前にはメイソン・ジョーンズの美しいホルンが聞こえます。すすり泣くようなヴァイオリンとの対話もきれいです。第3楽章はオーケストラもヴァイオリンも鮮やかな演奏です。録音の古さを全く感じさせません。
 クーレンカンプのブルッフは冒頭きれいなポルタメントが印象的です。艶のある響きのヴァイオリンで素晴らしい演奏です。SPでは他にクライスラーとメニューインくらいしか無かったのではないでしょうか。この演奏はベルリン・フィルとの共演ですが、ドイツ・テレフンケンの名録音とあって実に素晴らしい音で再現されています。第2楽章、第3楽章とクーレンカンプの魅力をたっぷり味わうことができましょう。


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