ブラームス/ヴァイオリン協奏曲の演奏

クリスチャン・フェラス(1953)
CD(ARCHIPEL ARPCD0233)

ルドルフ・ケンペ/ライヴ録音集
1.ブラームス/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op77
    (カデンツァ:クライスラー)
2.ドヴォルザーク/交響曲第8番ト長調Op88

  クリスチャン・フェラス(ヴァイオリン)(1)
  ルドルフ・ケンペ指揮
   ヘッセン放送交響楽団
   1953年12月9日録音(1)
   1953年3月2日録音(2)

 フェラスが20歳のときの録音です。1954年にはシューリヒトとブラームスを録音していますが、これはその前年の演奏です。
まだ若く全曲を弾ききるのに集中しているようです。カデンツァはクライスラーのものを常に弾いていました。この時も同じクライスラーでした。第3楽章冒頭のレガートはすでにできていますが、ポルタメントは翌54年ほどはかけていなくてミスのないように集中していたのかもしれません。いずれにしてもこれは見事な演奏です。
 ケンペのドヴォルザークは「新世界より」が3種類ありますが、8番はこのヘッセン放送盤とミュンヘン・フィルのライヴの2種だけでスタジオ録音はありませんでした。このヘッセン放送盤は冒頭から大変きれいな響きで、まだこの曲が交響曲第4番「イギリス」と呼ばれていて、録音もほとんどなかった時代に驚くほど完成度の高い演奏をしていて驚きました。第3楽章の郷愁あふれるメロディーは申し分ない演奏です。(ドヴォルザークの交響曲は初期の作品4曲が出版されるまで5曲が知られており、新世界よりは5番でした)


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