ブラームス/ヴァイオリン協奏曲の演奏

クリスチャン・フェラス(1964)
CD(DGG 413844−2)2枚組

ヴァイオリン協奏曲集
1.ブラームス/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op77
    (カデンツァ:クライスラー)
2.ベートーヴェン/ロマンス第1番ト長調Op40
3.   〃   /ロマンス第2番ヘ長調Op50
4.ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調Op26
5.ドヴォルザーク/ヴァイオリン協奏曲イ短調Op53

  クリスチャン・フェラス(ヴァイオリン)(1)
   ヘルベルト・フォンカラヤン指揮
    ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1)
    1964年5月4〜6日録音(1)
  ダヴィド・オイストラフ(ヴァイオリン)(2&3)
   ユージン・グーセンス指揮
    ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(2&3)
    1961年2月録音(2&3)
  ヤン・ウク・キム(ヴァイオリン)(4)
   オッコ・カム指揮バンベルク交響楽団(4)
    1971〜72年録音(4)
  エディト・パイネマン(ヴァイオリン)(5)
   ペーター・マーク指揮
    チェコ・フィルハーモニー管弦楽団(5)
    1965年7月録音(5)

 フェラスはカラヤンに認められて最初に録音したのがこのブラームスでした。当時カラヤンはベートーヴェンの交響曲全集を録音しており、ついでブラームスの交響曲全集と新世界より、チャイコフスキーの4〜6番を録音していました。ブラームスのヴァイオリン協奏曲のソリストの抜擢されたフェラスの演奏は、カラヤンの求める響きの美しさと相性がよく、協奏曲としての一体化した完成度の高いものになりました。カデンツァの素晴らしさは勿論、第2楽章での管楽器とヴァイオリンの対話など完璧です。ローター・コッホのオーボエが大変美しく響きます。第3楽章は冒頭のレガートがきれいですが、ポルタメントは使いませんでした。
 オイストラフの2つのロマンスはいうことなしの名演です。ヤン・ウク・キムのブルッフは当時売り出し中のオッコ・カムの指揮で若さあふれるきれいな演奏です。
 またドヴォルザークを弾いているエディト・パイネマンはドイツの女流ヴァイオリニストで優秀な腕をもちながら録音の大変少ない演奏家です。名曲を録音するチャンスに恵まれなかったのでしょう。このドヴォルザークはツィガーヌと共にグラモフォンに残された大変貴重な録音。マークのサポートで素晴らしい演奏になっています。


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