惑星の演奏

サー・マルコム・サージェント/BBC交響楽団(1965)
CD(BBC CRCB−6014)

サージェント/BBCライヴ
1.ホルスト/組曲「惑星」Op32
  火星(6:45)  金星(8:18)
  水星(3:15)  木星(7:16)
  土星(8:42)  天王星(5:27)
  海王星(7:04)
2.エルガー/エニグマ変奏曲Op36
  サー・マルコム・サージェント指揮
       BBC交響楽団
       BBC女声合唱団(海王星)
  録音 1965年2月3日(1)
      ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
      1966年8月6日(2)
      ロイヤル・アルバート・ホール

 マルコム・サージェントお得意のイギリス音楽です。サージェントは1957年に同じBBC交響楽団と「惑星」を録音していました。これはライヴ録音です。「」はエネルギッシュな演奏です。まず金管の強奏とタムタムのトリルの凄まじさに驚きます。後半の迫力も素晴らしい。圧倒されます。
金星」は甘い響きのホルンと木管で始まる冒頭がなんともいえない美しさで、聞き惚れてしまいます。なんともほっとするアダージョです。ヴァイオリンのソロもきれいです。「水星」は大変速いスケルツォです。生演奏でこれだけ速い演奏するのは緊張するでしょう。これは驚きます。「木星」は程良いテンポです。第2主題のホルンと弦がきれいです。第3主題のホルンもきれいに響いています。一気にスピードアップの後の第4主題はさすがにゆったりとした歌で「ジュピターのテーマ」がたっぷりと感動的に歌われています。「土星」は序奏でppからfにクレッシェンドする弦楽器の音量に驚きます。ひとつのポイントだけに巨匠の腕が冴えます。クライマックスの鐘が大きく響いています。見事な演奏です。「天王星」は冒頭の金管のフェルマータをゆったりと吹かせ、ティンパニもゆったりと叩いています。主部においてもティンパニの炸裂は見事です。それにしてもこの曲は凄いです。
 「海王星」は聞く者をほっとさせる魅力がありますが、なぜこれが5拍子なのか。聞いているとこの神秘的な曲は3拍子や決まったリズムの2拍子、4拍子では表現できそうもありません。最後のヴォカリーズの永遠なリピートは5拍子だからこそ宇宙的な奥深い広がりを表現できたのでしょう。
 エルガーのエニグマ変奏曲は主題と14の変奏曲からなる曲ですが、これもまた凄い演奏です。プロムスのライヴだけに聴衆が興奮したのは言うまでもないでしょう。


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