惑星の演奏

ベルナルト・ハイティンク/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団(1970)

CD(PHILIPS UCCP−9436)
LP(PHILIPS PL−1321)

ホルスト/組曲「惑星」Op32
  1)火星(8:26) 2)金星(8:36)
  3)水星(3:57) 4)木星(7:55)
  5)土星(9:19) 6)天王星(5:50)
  7)海王星(7:25)

  ベルナルト・ハイティンク指揮
   ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
    ジョン・オールディス合唱団(海王星)
  録音 1970年3月

 ハイティンクがロンドン・フィルハーモニーを指揮した「惑星」です。
 「火星」は切れの良いリズム、そして盛り上げの良さがあります。管楽器の力強い響きがこ凄いです。もっと凄いのはオルガンで他の演奏では聞こえないところでも強烈に響きますのでびっくりします。コーダの盛りあがりはオルガンと共に鳴り響くので凄いです。豪快な「火星」です。
 「金星」は美しいアダージョです。冒頭のホルンのソロがきれいです。ヴァイオリンのソロ、弦楽の美しさは素晴らしいものです。オーボエの響きもまたきれいです。
 「水星」は管楽器とハープ、弦楽器の響きが見事です。弦楽の刻みがさわやかで楽しいスケルツォです。
 「木星」は快適なテンポで始まります。間をおいて始まる第2主題の歌い方はさすがにロンドン・フィルは素晴らしい。第3主題のホルンは滑らかです。アンダンテのジュピターのテーマはホルンと弦楽のユニゾーンの美しさが素晴らしい。再現部も勢いのある見事な演奏です。
 「土星」は序奏の弦のクレッシェンドが実にきれいです。管楽器の響き、トロンボーンの響きもきれいです。中間部のクライマックスも見事で鐘の音がよく響きます。
 「天王星」では冒頭の金管の和音と続くティンパニの強打がすばらしい。第1主題の鮮やかな演奏、管楽器による迫力の演奏も見事です。第2主題の弦楽とホルンのユニゾーンもきれいです。後半ではパ−カッションやシロフォンがよく響いています。圧倒的な演奏です。オルガンもよく響きます。
 「海王星」は神秘的な音楽の表現が見事です。フルート、オーボエ、透明感のある弦楽が美しい。そしてハープとチェレスタが大変きれいな響きです。後半から聞かれるクラリネットの主題がホルンの和音と溶け合っています。弦楽は美しく、女声合唱は透明感のある歌声が美しいです。間奏のハープとチェレスタが素晴らしい響きです。そして果てしないディミヌエンドで消えゆくように終わります。 


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