惑星の演奏

アンドレ・プレヴィン/ロンドン交響楽団(1973)

LP(EMI EAC−85016)
CD(EMI CDM7 644412)

ホルスト/組曲「惑星」Op32
 1.火星(6:58) 2.金星(8:37)
 3.水星(3:45) 4.木星(7:36)
 5.土星(9:48) 6.天王星(5:58)
 7.海王星(7:27)

  アンドレ・プレヴィン指揮
     ロンドン交響楽団
     アンブロジアン合唱団(7)
  録音 1973年9月28日&29日

 これはプレヴィンの1回目の録音でした。LPは「惑星」のみですが、CDは「魔法使いの弟子」と「ラプソディ・イン・ブルー」がカップリングされています。
  火星は速めのテンポで迫力のある演奏です。管と弦の厚みのある演奏が見事です。金星は冒頭のホルンの甘い響きがたまりません。木管の響きも申し分ありません。アダージョのこの曲では弦楽器の美しさも聞き所です。水星はご機嫌なスケルツォです。管楽器と弦楽器の腕の見せ所です。とても素敵な曲ですね。
  木星は惑星のメイン曲です。実際にも木星は太陽系最大の惑星です。ここは金管楽器の迫力を聞きたいです。この曲ではアンダンテのジュピターのテーマが聞き所です。プレヴィンはやや速めのテンポなのでじっくり聞かせるほどではありませんが、十分に響かせていました。
 土星は低弦のうめきとバス・オーボエの響きが印象的です。管から弦へ移る美しい主題もきれいです。中間部のクライマックスでは打楽器が迫力満点ですが、期待した鐘の音は小さくてあまり聞こえませんでした。
  天王星は冒頭の金管のファンファーレが見事でした。ここはパーカッションが活躍します。弦と管による第2主題の流麗な響きは見事です。後半も迫力満点の演奏です。海王星はバランスの難しい曲ですが、フルート、チェレスタ、ハープが絶妙です。管楽器とつくる神秘的な響きは素晴らしいです。後半で聞かれるクラリネットの主題はしっかり響いています。アンブロジアンの女声合唱はさすがにこの曲にピッタリで、消えゆくコーラスがたまらなくいいです。
 プレヴィンのこの録音は当時としては素晴らしいものでした。今でも十分に楽しめる演奏です。


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