ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲の演奏

ジノ・フランチェスカッティ(1946)
CD(DOREMI DHR−7812)

1.ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op61
    (カデンツァ:クライスラー)
2.モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第3番
                ト長調K216
3.ラヴェル/ツィガーヌ

  ジノ・フランチェスカッティ(ヴァイオリン)(1〜3)
   アルトゥール・バルサム(ピアノ)(3)
   アンドレ・クリュイタンス指揮
    パリ音楽院管弦楽団(1&2)
    1946年11月13日ライヴ録音(1&2)
    1947年4月13日録音(3)

ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲はフランチェスカッティ44歳の時の演奏で名指揮者クリュイタンスとの共演です。録音状態はよくないので音質はよくないのですが、フランチェスカッティのきらめくヴァイオリンは十分に鳴り響きます。ヴァイオリンに専用マイクロフォンがありそうです。オーケストラは戦後間もない時期で時折ポルタメントをかける時があります。ソロヴァイオリンは実にきれいで気迫が漂います。クライスラーのカデンツァも抜群の演奏です。第1楽章が終わると同時に拍手喝采を浴びています。第2楽章の序奏は弦の厚みのある演奏、そのあとにホルンの明るい音が響くところがパリ音楽院らしいです。首席ホルン奏者ルシアン・テヴェの音でした。フランチェスカッティのすすり泣きも素晴らしいです。第3楽章の演奏も素晴らしいもので、勢いのある演奏はクリュイタンスの棒にも熱がこもります。聴衆の興奮も伝わってきます。
 モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番はレガートでメロディーを大切に弾いています。第3楽章の美しい演奏も聞き物です。ラヴェルのツィガーヌはフランチェスカッティの得意とする曲の1つでしょう。フランス人の彼はヌヴーに負けない自信に満ちた演奏を繰り広げています。パガニーニを得意とした彼にはお手のものだったでしょう。


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