惑星の演奏

ホセ・セレブリエール/メルボルン交響楽団(1977)
CD(ASV CD QS6078)

1.ラヴェル/ボレロ
2.ホルスト/組曲「惑星」Op32
3.チャイコフスキー/序曲「1812年」Op49

  ホセ・セレブリエール指揮
   メルボルン交響楽団
   メルボルン交響楽団合唱団(海王星)
   録音 1977年

 変わった組み合わせのアルバムですが、いずれも大管弦楽のための作品です。ホセ・セレブリエールはウルグァイ出身の指揮者で作曲家、11歳でユースオーケストラを組織して指揮者デビューという経歴を持っています。ボレロはラテン系の国ではなじみの曲でしょう。
 ホルストの「惑星」はメルボルン響としてはイギリスの作品として曲への意気込みは違うものがあるでしょう。「火星」はオーケストラのバランスが大変良く、理想的な響きとテンポです。パーカッションのうまさも素晴らしい。「金星」は冒頭のホルンが素晴らしい響きです。ロンドンのオーケストラを聴いているようです。木管のアンサンブルの美しさも際だっており、この曲では弦楽器の輝きと共に特筆に値するでしょう。「水星」のご機嫌なテンポ運びと管楽器のうまさは見事です。乱れどころかオーケストラが一体化したような見事な演奏です。
 「木星」も素晴らしい、第2主題で次第にテンポをアップしていくところはボールトを聴いているかのようです。第4主題のアンダンテ・マエストーソ「ジュピターのテーマ」は絶品の演奏です。「土星」はトロンボーンの第2主題がきれいです。クライマックスの鐘の音は刺激的です。「天王星」は冒頭の重々しいティンパニが素晴らしい。またシロフォンの明るい響きもいいものです。全曲にわたりパーカッションの腕がさえます。「海王星」の神秘的な響きも美しい。チェレスタ、ハープと管楽器の絶妙なバランスが素晴らしい。クラリネットの主題も実に美しいもので、女声合唱のヴォカリーズもまた神秘的です。
 「1812年」はオーケストラの力量を発揮した実に見事な演奏。ロシア民謡の主題がきれいです。戦いの場面の緊張感、大砲の音の迫力、鐘の音の煌びやかさ、迫力満点です。


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