惑星の演奏

サー・ネヴィル・マリナー/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団(1977)


CD1(PHILIPS 17CD−4)
CD2(PHILIPS PHCP−9008)
LP(PHILIPS X-7835)

ホルスト/組曲「惑星」Op32
 1)火星 2)金星
 3)水星 4)木星
 5)土星 6)天王星
 7)海王星

  サー・ネヴィル・マリナー指揮
   アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
   アンブロジアン・シンガーズ(7)
   録音 1977年6月22〜24日

 ネヴィル・マリナーの「惑星」です。イギリスのオーケストラではなくコンセルトヘボウを振っての録音でした。
 「火星」は金管の厚みのある冒頭が印象的で、ウッド・ステッィクのティンパニが大きく響きます。やがてドラの響きが大きく鳴ってきます。金管の主題は迫力抜群です。テナーチューバとトランペットの掛け合いは聞き物です。ステレオ効果は抜群で左の打楽器、右の金管楽器がはっきり分かれています。
後半もパーカッションがよく響く演奏です。迫力は満点です。
 「金星」はホルン・ソロが大変きれいです。絶妙なディミヌエンドです。これほどまでスコア通りの演奏も少ないです。弦楽の響き、ヴァイオリン・ソロとよどみない演奏は素晴らしく、何度もオーケストラでヴァイオリンを演奏してきたマリナーだけに音作りは難しいものではないでしょう。ささやくようなチェロ・ソロが印象に残ります。「水星」は管楽器と弦楽の流麗な演奏で、これはコンセルトヘボウのアンサンブルの良さが聞きものです。ハープ、グロッケンとチェレスタが大変きれいです。後半の弦の刻みは聞き所ですが、ボールト同様に素晴らしい響きになっています。
 「木星」は冒頭からホルンと弦楽の主題がきれいです。トランペットが活躍するこの曲は右側のトランペットが大変よく聞こえます。第2主題のホルンは厚みがあります。第3主題のホルンは程よいテンポで大変良い響きになっています。第4主題の「ジュピターの主題」はハープの和音に乗ってホルンと弦楽の融合が素晴らしいです。何度聞いても良いメロディです。「土星」の序奏は低弦の強烈な響き、ヴァイオリンとヴィオラの透明感のある響きがきれいです。トロンボーンで始まる第2主題もきれいです。中間部のクライマックスでは鐘をきれいに響かせていて迫力満点です。
 「天王星」は冒頭金管の和音とティンパニの強打が凄いです。続く管楽器と弦楽器の流れも完璧です。シロフォンがきれいですし、ホルンと弦楽の主題も良い響きです。迫力ある演奏になっています。「王星」はフルートや管楽器の神秘的な響きが美しいです。バス・フルートがよく聞こえています。そして左のハープと右のチェレスタのきらめきがきれいです。クラリネットの主題がきれいに聞こえています。女声合唱は澄んだ声が大変きれいです。(CD1は1989年発売、CD2は1993年発売)


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