惑星の演奏

サー・エードリアン・ボールト/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団(1978)

CD(EMI CDM−7690452)
LP(EMI EAC−80513)

ホルスト/組曲「惑星」Op32
 1.火星 2.金星
 3.水星 4.木星
 5.土星 6.天王星
 7.海王星

 サー・エードリアン・ボールト指揮
  ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
     ジョフリー・ミッチェル合唱団(7)
   録音 1978年6&7月
       1979年5月

 ボールト7度目で最後の「惑星」録音でした。なんと89歳から90歳の時の録音でした。ボールトの極めつけの「惑星」です。
 「火星」はやや遅めのテンポの演奏ながら大変緻密な演奏で、オーケストラの遠近感まで感じさせる録音です。金管の迫力は抜群です。弦と管が作り出す火星の響きの代表的な演奏です。「金星」は1966年盤よりも速いテンポのアダージョです。ホルン・ソロは大変きれいです。弦楽の響き、ヴァイオリン・ソロとボールトならではの美しさも素晴らしい。「水星」は速いテンポのスケルツォです。音楽の流れによどみはなく実に流麗な演奏です。これぞ「水星」という完璧な演奏です。
 「木星」はボールトならではの演出が聞き物。第2主題前に入る間、第3主題のホルンの響きの美しさ、またジュピターの主題は優雅に美しく、ホルンと弦楽の融合が素晴らしいです。再現部の第2主題も素晴らしい。「土星」の序奏は低弦の響き、ヴァイオリンとヴィオラの透明感のある響きと素晴らしい。中間部のクライマックスでは鐘をきれいに響かせていて迫力は十分です。
 「天王星」は冒頭金管の和音とティンパニの強打が見事です。管楽器と弦楽器の流れも完璧です。これが「天王星」の響きです。ホルンと弦楽の主題も美しさも見事です。「海王星」は大変静かに始まり、フルートの神秘的な響きが美しいです。木管楽器のアンサンブル、ハープとチェレスタの響きが素晴らしい。クラリネットの主題もきれいです。女声ヴォカリーズの美しい響きは素晴らしくオーケストラに負けない存在感があります。消え行くところはたまりません。


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