ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲の演奏

ジノ・フランチェスカッティ(1950)
CD(Biddulph 80205−2)

フランチェスカッティ/ベートーヴェン協奏曲集
1.ロマンス第1番ト長調Op40
2.ロマンス第2番ヘ長調Op50
3.ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op61
     (カデンツァ:クライスラー)

  ジノ・フランチェスカッティ(ヴァイオリン)(1〜3)
  ジャン・モレル指揮
     コロンビア交響楽団(1&2)
  ユージン・オーマンディ指揮
    フィラデルフィア管弦楽団(3)
   1952年4月23日録音(1&2)
   1950年11月5日録音(3)

 フランチェスカッティはベートーヴェンの2つのロマンスを1回だけ録音していました。この貴重な録音は当時絶大な人気を博したハイフェッツと同じ時期で、ハイフェッツも名演を残しましたが、フランチェスカッティはエレガント(上品)な演奏でありロマンスの魅力あふれる名演です。
 オーマンディとの共演はオーマンディとしてもベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は唯一の録音でした。1950年当時の演奏はオーケストラでも弦楽器にポルタメントをかけていて、ここでも聞かれます。フランチェスカッティの演奏は一層華やかな響きを出しています。またオーマンディのサポートも見逃せないものになっています。大変完成度の高い演奏になりました。フィラデルフィアの音色が華麗でまさに美しい響きの演奏になっています。カデンツァはつやのある華麗な響きの演奏になっています。第2楽章では弱音器を付けた弦楽がきれいで、ホルン二重奏も大変きれいです。フランチェスカッティの魅力的なヴァイオリンにはしびれます。第3楽章の前に入るカデンツァは即興が入ります。第3楽章も素晴らしい。ファゴットのメロディもきれいで、カデンツァもまた見事です。これはワルターと共演したステレオ録音と比肩する名演です。


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